ポジションごとの役割が多様化する昨今のサッカーでは、ウイングもこれまで以上に得点を求められるようになっている。かき回し役にとどまることなく、フィニッシュワークにも頻繁に絡み、数字を残せるタイプが自ずと評価が高くなってくる。
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三笘薫のケースを見れば、それは明らかだ。欧州で株が急騰したブライトン加入1年目の2022-2023シーズン、10得点8アシストを記録。しかし左足首と背中の故障の影響もあり、2年目の昨シーズンは得点が3に減少した。今シーズンのプレミアリーグではここまで3得点2アシストと徐々に復調を見せている三笘に対し、ファビアン・ヒュルツェラー監督は、フィニッシュ面でのさらなる向上を要求している。
「彼は良いアクションをたくさんする。しかし本当に問われるのは、それをいかにして適切な形で完了させるかだ。適切なタッチをして、適切なシュートを放ち、適切なクロスを送る。そして適切なポジション取りをする。1ヤードの差、1秒の差が違いを生む。練習ではそうしたディテールを突き詰めることが彼の助けになると考えて、取り組んでいる。試合でその成果を発揮できるかどうかは選手本人の責任だ」
今シーズン、2ゴール目を決めたプレミアリーグ第12節のボーンマス戦でのパフォーマンスを受けて、スポーツサイトの『The Athletic』が「ミトマの好守に渡った活躍は、背中の負傷によって一時ストップしていたが、再びプラスに転じ、ベストフォームを取り戻しつつあることを示している。中でも特筆に値したのが守備面での働きで、何度も自陣ゴール前まで戻り、オーバーラップを繰り出す相手の右SBのアダム・スミスを封じた。危険なクロスをクリアして、一般に思われている以上に空中戦に強いところも披露した」と分析している。
一方、スペイン紙『マルカ』は大学を経由してプロになったキャリアに着目。「ミトマは、ピッチ上で異彩を放つだけではなく、大学の卒業論文で示されたように、学業との両立を果たした知的な選手でもある」と言及すれば、『スポルト』は「異色の選手」と触れ込んだうえで、「川崎フロンターレからのプロ契約を辞退し、体育学科を専攻するために大学に進学した。卒業論文のテーマはドリブルで、小型のアクションカメラ『GoPro』を頭につけるなど、徹底的に分析を行った。その検証の結果、一流のドリブラーは足元ではなく前を見てボールを扱うことに気が付き、それを基にスキルを磨いていった」と紹介している。
ヒュルツェラー監督は別の機会では、三笘について「私はいつもチームプレーを念頭に置いて(左サイドで縦関係を築く)ペルビス・エストゥピニャンをいかにして助けているかという守備面での働きを基にカオルを評価している。ゴール数やアシスト数ではなく、チームのためにどれだけ一生懸命働いているかで判断するんだ。彼は素晴らしいチームプレーヤーであり、クラブの成功のために全力を尽くす」と語っている。冒頭のコメントは、そうした働きぶりを評価したうえで、三笘の向上心を刺激する狙いもあったのかもしれない。
ちなみに『The Athletic』の前述の記事は、今シーズンは、アジアカップがあった昨シーズンとは異なり、日本代表の活動が来年3月までない点に着目し、「フィジカルコンディションが上向けば、得点力を取り戻す期待が膨らんでくる」と締め括られている。
文●下村正幸
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今シーズン、2ゴール目を決めたプレミアリーグ第12節のボーンマス戦でのパフォーマンスを受けて、スポーツサイトの『The Athletic』が「ミトマの好守に渡った活躍は、背中の負傷によって一時ストップしていたが、再びプラスに転じ、ベストフォームを取り戻しつつあることを示している。中でも特筆に値したのが守備面での働きで、何度も自陣ゴール前まで戻り、オーバーラップを繰り出す相手の右SBのアダム・スミスを封じた。危険なクロスをクリアして、一般に思われている以上に空中戦に強いところも披露した」と分析している。
一方、スペイン紙『マルカ』は大学を経由してプロになったキャリアに着目。「ミトマは、ピッチ上で異彩を放つだけではなく、大学の卒業論文で示されたように、学業との両立を果たした知的な選手でもある」と言及すれば、『スポルト』は「異色の選手」と触れ込んだうえで、「川崎フロンターレからのプロ契約を辞退し、体育学科を専攻するために大学に進学した。卒業論文のテーマはドリブルで、小型のアクションカメラ『GoPro』を頭につけるなど、徹底的に分析を行った。その検証の結果、一流のドリブラーは足元ではなく前を見てボールを扱うことに気が付き、それを基にスキルを磨いていった」と紹介している。
ヒュルツェラー監督は別の機会では、三笘について「私はいつもチームプレーを念頭に置いて(左サイドで縦関係を築く)ペルビス・エストゥピニャンをいかにして助けているかという守備面での働きを基にカオルを評価している。ゴール数やアシスト数ではなく、チームのためにどれだけ一生懸命働いているかで判断するんだ。彼は素晴らしいチームプレーヤーであり、クラブの成功のために全力を尽くす」と語っている。冒頭のコメントは、そうした働きぶりを評価したうえで、三笘の向上心を刺激する狙いもあったのかもしれない。
ちなみに『The Athletic』の前述の記事は、今シーズンは、アジアカップがあった昨シーズンとは異なり、日本代表の活動が来年3月までない点に着目し、「フィジカルコンディションが上向けば、得点力を取り戻す期待が膨らんでくる」と締め括られている。
文●下村正幸
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