この北アイルランドを首尾よく下して決勝に勝ち上がった場合、W杯出場権を賭けて戦う相手はウェールズ(FIFAランキング32位)あるいはボスニア・ヘルツェゴビナ(同71位)。FIFAランキングでも下馬評でも、勝ち上がってくる可能性が高いと見られているのは、かつての国民的英雄クレイグ・ベラミ監督率いるウェールズだ。
ベルギー、北マケドニア、カザフスタン、リヒテンシュタインと同居した予選グループJでは、直接対決で2敗を喫したベルギーに次ぐ2位。結果次第では順位が入れ替わる可能性があった北マケドニアとの最終戦にホームで7-1と大勝し、プレーオフ進出を確定した。
予選では8試合で21得点を挙げており、ベルギーに対しても2-4、3-4と敗れはしたもののほぼ互角の撃ち合いを演じた攻撃型のチーム。センターフォワードに人材を欠いているため、4-2-3-1あるいは4-3-3の前線は、プレミアリーグでウイングとして活躍するブレナン・ジョンソン(トッテナム)、ハリー・ウィルソン(フルアム)、ダニエル・ジェームズ(リーズ)というスピードのあるアタッカーによって構成されることが多い。
そのベルギーとの対戦で2試合ともボール支配率で相手を大きく上回ったことが示すように、能動的かつ積極的に振る舞う。イタリアは予選のノルウェー戦、イスラエル戦で見られたように、相手に主導権を握られたうえでウイングの1対1突破に晒されると困難に陥ることが多く、そうした状況を少なくするようボールを支配して攻勢に立ち、敵陣で試合を進めるような戦い方をする必要がありそうだ。
もう一方のボスニア・ヘルツェゴビナは、予選8戦中7試合に出場して5得点を挙げるなど、39歳を迎えた今もなおエースの座に君臨するエディン・ジェコ(フィオレンティーナ)を核とするチーム。オーストリア、ルーマニア、キプロス、サンマリノと同居した予選グループHでは、最後までラルフ・ラングニック率いるオーストリアと首位争いを続け、適地での直接対決となった最終戦で先制しながら、後半に追いつかれて引き分けに終わり、2位に甘んじる結果となった。
ジェコを前線中央の基準点に置く4-2-3-1あるいは4-4-2で、重心を低めに構えたミドル/ローブロック守備から、スピードに乗ったカウンターアタックを狙うタイプのチームだが、守備の安定度はそれほど高いとは言えず、敵地のウェールズ戦を制するのは簡単ではなさそうだ。
イタリア国内では、準決勝で相対的に「楽な」相手を引き当てただけでなく、決勝でもポーランド、アイルランドといった「嫌な相手」と当たる可能性を避けた。本来の力を見せることができれば、今度こそワールドカップへの切符を勝ち取れるはず、いや勝ち取らなければならない、しかし過去2回の「実績」を考えれば最後まで油断は禁物――という「慎重な楽観論」が支配的だ。
確かに、戦力的に見ればイタリアは、対戦する可能性があるどの相手と比べても明らかに上位に立っている。本来の戦いができれば負けないはず、というのはまさにその通りであり、その意味で成否は対戦相手ではなく自分たちの戦いぶりに懸かっていると言えるだろう。2大会続いた「イタリアのいないワールドカップ」をまたもや繰り返さないための条件はすべて揃っているのだから。
文●片野道郎
【動画】イタリアの至宝、ロベルト・バッジョの代表ゴールBEST10!
ベルギー、北マケドニア、カザフスタン、リヒテンシュタインと同居した予選グループJでは、直接対決で2敗を喫したベルギーに次ぐ2位。結果次第では順位が入れ替わる可能性があった北マケドニアとの最終戦にホームで7-1と大勝し、プレーオフ進出を確定した。
予選では8試合で21得点を挙げており、ベルギーに対しても2-4、3-4と敗れはしたもののほぼ互角の撃ち合いを演じた攻撃型のチーム。センターフォワードに人材を欠いているため、4-2-3-1あるいは4-3-3の前線は、プレミアリーグでウイングとして活躍するブレナン・ジョンソン(トッテナム)、ハリー・ウィルソン(フルアム)、ダニエル・ジェームズ(リーズ)というスピードのあるアタッカーによって構成されることが多い。
そのベルギーとの対戦で2試合ともボール支配率で相手を大きく上回ったことが示すように、能動的かつ積極的に振る舞う。イタリアは予選のノルウェー戦、イスラエル戦で見られたように、相手に主導権を握られたうえでウイングの1対1突破に晒されると困難に陥ることが多く、そうした状況を少なくするようボールを支配して攻勢に立ち、敵陣で試合を進めるような戦い方をする必要がありそうだ。
もう一方のボスニア・ヘルツェゴビナは、予選8戦中7試合に出場して5得点を挙げるなど、39歳を迎えた今もなおエースの座に君臨するエディン・ジェコ(フィオレンティーナ)を核とするチーム。オーストリア、ルーマニア、キプロス、サンマリノと同居した予選グループHでは、最後までラルフ・ラングニック率いるオーストリアと首位争いを続け、適地での直接対決となった最終戦で先制しながら、後半に追いつかれて引き分けに終わり、2位に甘んじる結果となった。
ジェコを前線中央の基準点に置く4-2-3-1あるいは4-4-2で、重心を低めに構えたミドル/ローブロック守備から、スピードに乗ったカウンターアタックを狙うタイプのチームだが、守備の安定度はそれほど高いとは言えず、敵地のウェールズ戦を制するのは簡単ではなさそうだ。
イタリア国内では、準決勝で相対的に「楽な」相手を引き当てただけでなく、決勝でもポーランド、アイルランドといった「嫌な相手」と当たる可能性を避けた。本来の力を見せることができれば、今度こそワールドカップへの切符を勝ち取れるはず、いや勝ち取らなければならない、しかし過去2回の「実績」を考えれば最後まで油断は禁物――という「慎重な楽観論」が支配的だ。
確かに、戦力的に見ればイタリアは、対戦する可能性があるどの相手と比べても明らかに上位に立っている。本来の戦いができれば負けないはず、というのはまさにその通りであり、その意味で成否は対戦相手ではなく自分たちの戦いぶりに懸かっていると言えるだろう。2大会続いた「イタリアのいないワールドカップ」をまたもや繰り返さないための条件はすべて揃っているのだから。
文●片野道郎
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