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海外サッカー

【現地発コラム】セリエA前半戦総括 “冬のカンピオーネ”インテル、2位ミラン、3位ナポリ 戦いぶりから見るトップ3の現在地

片野道郎

2026.01.09

40歳の今もなお輝きを放つモドリッチ。全18試合に先発し、ほぼフル出場を果たしている。(C)Alberto LINGRIA

40歳の今もなお輝きを放つモドリッチ。全18試合に先発し、ほぼフル出場を果たしている。(C)Alberto LINGRIA

●2位:ミラン 39ポイント(前年比+9ポイント)/11勝6分け1敗(29得点14失点)
OptaAIの最終勝点予想:74.19(3位)

 そのインテルを勝点3差で追っているのが、11年ぶりに復帰したマッシミリアーノ・アッレーグリ監督の下で、これまでとは明確に異なる新たなアイデンティティーを確立したミラン。ボール支配には強くこだわらず、むしろボールと地域を相手に委ねてローブロック守備で受けに回ることで、撃ち合いを避けて試合のペースをスローダウンさせ、相手のミスや隙を衝いて効率的に得点を奪い僅差で勝つ指揮官の哲学が、ピッチ上に明確な形で反映されている。

 それを象徴するのは、ライバルが揃って60%近い数字を記録する中では異例に低い51.6%というボール支配率だ。アタッキングサード限定の支配率(フィールドティルト)になると48.1%と、むしろ相手に押し込まれている時間が長い。PPDAに至っては16.8とリーグ最下位であり、プレッシングはほとんど存在していない。システムは同じ3-5-2でも、スタイル的にはインテルと正反対と言ってもいいだろう。

 ボール奪取時に最優先される選択肢はカウンターだが、強引にそれを狙ってボールを失うよりは手堅くポゼッション確立を選ぶのも特徴。そこからの攻撃においては、中盤の底で自らにボールを集め、プレーの緩急を巧妙にコントロールする「司令塔」ルカ・モドリッチの存在感がきわめて大きい。

 ユースフ・フォファナ、アドリアン・ラビオという強靭なフィジカルを誇る2人の大型MFがまさに適材適所という働きで脇を固めるなかで、自陣からのビルドアップはもちろん、敵陣でのチャンスメイクでも際立った戦術眼と正確なパスワークで違いを作り出している。パス総数、パス成功数、キャリー総数のいずれもリーグ2位という数字にプレーの「量」の大きさ、ファイナルサードへのパス本数同2位、決定機創出数同6位という数字にはプレーの「質」の高さが、それぞれ端的に表れている。

 攻撃の最終局面は、ウイングからCFへのコンバートが進行中のラファエウ・レオン、やはり本職ではないセカンドトップで持ち前の創造性とゴールセンスを最大限に発揮しているクリスチャン・プリシックへの依存度がきわめて高く、とりわけ後者を欠くと決定機の質と量の両面に明らかな低下が見られた。12月末にウェスト・ハムから獲得したドイツ代表FWニクラス・フュルクルクを、指揮官がどう使いこなすかが注目される。

 
●3位:ナポリ 38ポイント(前年比−6ポイント)/12勝2分け4敗(28得点15失点)
OptaAIの最終勝点予想:75.44(2位)

 昨シーズンの王者ナポリは、10月にケビン・デ・ブライネ、11月にアンドレ・アンギサと、中盤のキープレーヤーを相次いで故障による長期離脱で失いながら、そのたびに効果的な修正を加えてチームを立て直したアントニオ・コンテ監督の手腕によって、首位戦線の主役を演じ続けている。

 開幕当初は、名目上は4-3-3の左ウイングに位置するデ・ブライネが、ビルドアップ時には中盤に下がってレジスタとして機能する可変システム。そのデ・ブライネの故障離脱を受けて、左ウイングにダビド・ネーレス(ノア・ラング)を入れた純粋な4-3-3を試行したが、アンギサの離脱を機に、CBを2枚から3枚に増やした3-4-3にシステムを変更して攻守のバランスを取り直した。

 この3-4-3も、当初は両ウイングバックに守備的な性格の強いジョバンニ・ディ・ロレンツォ(右)、マティアス・オリベラ(左)を起用した「後ろの重い」配置だったものの、12月半ばのスーペルコッパ(ミラン、ボローニャを下して優勝)以降、より攻撃的なマッテオ・ポリターノ(右)、レオナルド・スピナッツォーラ(左)にウイングバックを変えた「前輪駆動」にバージョンアップ。前線でウイングというよりはトップ下に近い位置で自由に振舞うネーレスが、中央で基準点となるCFラスムス・ホイルンドと効果的な連携を見せて、互いの持ち味を引き出し合う好循環が生まれている。

 ただ、そのネーレスが足首の故障で欠場した直近のヴェローナ戦は、7割近いボール支配率を記録しながらそれに見合った決定機が作れず、珍しく最初の30分で2失点した後、残り10分を切ったところで2-2に追いつくのが精一杯。勝点2を取りこぼす痛い結果になった。

 2026年は、この新しいシステムが軌道に乗り、安定した結果をもたらせるかどうかが最初のハードル。それを乗り越えて首位争いを続けることができれば、復帰が間近のロメル・ルカク、そして終盤戦に戦列に戻ってくるであろうアンギサ、デ・ブライネがさらなるプラスアルファをもたらすはずだ。

文●片野道郎

【動画】インテルとミランの最新試合ダイジェスト!

 
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