問題は、残されたコンミッソ家、すなわちキャサリン夫人と息子のジュゼッペ・コンミッソに、今後もフィオレンティーナを保有し続ける意志があるのかという点に集約される。キャサリン夫人は夫と同じイタリア系移民で、フィオレンティーナ買収やその後の経営をめぐる意思決定に積極的に関与し、時には決定的な役割を果たしてきたとも伝えられている。ジュゼッペも父とともにしばしばフィレンツェに姿を見せてきた。しかし2人にとって現在の最優先事項は、フィオレンティーナではなく本業であるメディアコムの経営だ。
同じアメリカ人オーナーでも、非イタリア系のフリードキン家(ローマ)やクラウス家(パルマ)にとって、保有するセリエAクラブはファミリービジネスにおいて戦略的な位置を占めるアセット(資産)のひとつという位置づけだ。
しかしコンミッソ家にとってのフィオレンティーナは「イタリアへの恩返し」、言ってみれば「父の道楽」に近い。その意味でロッコ・コンミッソは、シルビオ・ベルルスコーニやマッシモ・モラッティ、フランコ・センシの系譜につながる「最後のパトロン型オーナー」だったと言えるかもしれない。
コンミッソがこの6年間でフィオレンティーナに投じてきた総額は、クラブ買収費用、ヴィオラ・パーク建設費、メディアコムの胸スポンサーフィー、そして毎年の赤字補填を合わせて、およそ5億ユーロ(約925億円)に上るとされる。それを支えてきたのはコンミッソ会長の情熱であり、それ以外ではない。
はたして、キャサリン夫人、そしてジュゼッペ・コンミッソは、それと同じ熱量(と資金)をフィオレンティーナに注ぎ込むことができるのか、そもそもそうしようという意志を持っているのか――というのは、当然浮かび上がってくる疑問である。
もちろん現時点では、コンミッソ家は今後もフィオレンティーナにコミットし続ける、という立場を表明している。しかしそれが人的にも資金的にもきわめて大きな負荷をもたらす仕事であることも明らかだ。ベルルスコーニ家やモラッティ家、センシ家がそうだったように、「次の世代」が持ち続けるよりも手放すことを選ぶ可能性は十分にあるだろう。
幸運なのは、フィオレンティーナがホームタウンの格、クラブの財務状況、いずれの観点から見てもプロサッカークラブとしてかなりの「優良資産」であり、しかも同じアメリカの投資ファンドを筆頭に潜在的な買い手には事欠かないであろうこと。それがいつ起こるかはまだわからないが(起こらない可能性ももちろんある)、想定されるひとつのシナリオとして考慮に入れつつ、今後の動向を見守っていく必要があるだろう。
文●片野道郎
【動画】ボローニャに勝利したフィオレンティーナの最新試合!
同じアメリカ人オーナーでも、非イタリア系のフリードキン家(ローマ)やクラウス家(パルマ)にとって、保有するセリエAクラブはファミリービジネスにおいて戦略的な位置を占めるアセット(資産)のひとつという位置づけだ。
しかしコンミッソ家にとってのフィオレンティーナは「イタリアへの恩返し」、言ってみれば「父の道楽」に近い。その意味でロッコ・コンミッソは、シルビオ・ベルルスコーニやマッシモ・モラッティ、フランコ・センシの系譜につながる「最後のパトロン型オーナー」だったと言えるかもしれない。
コンミッソがこの6年間でフィオレンティーナに投じてきた総額は、クラブ買収費用、ヴィオラ・パーク建設費、メディアコムの胸スポンサーフィー、そして毎年の赤字補填を合わせて、およそ5億ユーロ(約925億円)に上るとされる。それを支えてきたのはコンミッソ会長の情熱であり、それ以外ではない。
はたして、キャサリン夫人、そしてジュゼッペ・コンミッソは、それと同じ熱量(と資金)をフィオレンティーナに注ぎ込むことができるのか、そもそもそうしようという意志を持っているのか――というのは、当然浮かび上がってくる疑問である。
もちろん現時点では、コンミッソ家は今後もフィオレンティーナにコミットし続ける、という立場を表明している。しかしそれが人的にも資金的にもきわめて大きな負荷をもたらす仕事であることも明らかだ。ベルルスコーニ家やモラッティ家、センシ家がそうだったように、「次の世代」が持ち続けるよりも手放すことを選ぶ可能性は十分にあるだろう。
幸運なのは、フィオレンティーナがホームタウンの格、クラブの財務状況、いずれの観点から見てもプロサッカークラブとしてかなりの「優良資産」であり、しかも同じアメリカの投資ファンドを筆頭に潜在的な買い手には事欠かないであろうこと。それがいつ起こるかはまだわからないが(起こらない可能性ももちろんある)、想定されるひとつのシナリオとして考慮に入れつつ、今後の動向を見守っていく必要があるだろう。
文●片野道郎
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