今夏の移籍マーケットも、とりわけバルサの”金欠ぶり”が改めてクローズアップされる形になっているが、それは規模こそ違えど、ラ・リーガの他のクラブも同様だ。ベティスの大黒柱セルヒオ・カナレスの退団（メキシコのモンテレイへ移籍）、パウ・トーレス（アストン・ビラへ移籍）、サムエル・チュクウェゼ（ミランへ移籍）、ニコラス・ジャクソン（チェルシーへ移籍）といったビジャレアルの主力の大量流出は、ラ・リーガの地盤沈下の裏返しであるとスペイン紙『ノティシアス・デ・ギプスコア』のミケル・レカルデ記者は主張する。

　そのレカルデ記者が追っているレアル・ソシエダもまた、補強戦線で苦戦を強いられているクラブの一つだ。チャンピオンズリーグの出場権獲得を追い風に、景気よく補強するどころか、ここまで加入が確定しているのは右SBのアマリ・トラオレのみ。アレクサンダー・セルロトをライバルのビジャレアルに横取りされ、ダビド・シルバが膝の怪我により電撃引退を発表とネガティブな話題が続いており、戦力はむしろ昨シーズンに比べて低下している。
  　今後の補強ポイントは、左SB、攻撃的MF、CF。ここから急ピッチで巻き返す必要があるが、左SBと攻撃的MFは、それぞれ候補としてセルヒオ・レギロン（トッテナム）とドニー・ファン・デ・ベーク（マンチェスター・ユナイテッド）の名前が挙がっている。レカルデ記者によると、「ファン・デベークの獲得交渉はかなり進展している」とのことだが、レギロン同様、ライバルは多く予断を許さない。一方、CFについてはセルロト一本に絞って動いていたため、現時点でめぼしいターゲットは明らかになっていない。

文●下村正幸


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