この試合では、リーガに対する抗議の意味でスタンドからピッチにテニスボールやコイン型のチョコレートが大量に投げ込まれ、浅野がこれを拾って食べてしまったことが地元でも大きなニュースに。５年前にマインツ・サポーターが地元の祭りの期間中だったこともあり、フランクフルトでのアウェーマッチで大量のキャンディーをピッチにばらまくと、これを主審が拾って食べたことが話題になったものだが、日刊紙『BILD』では、彼が「疲れていてハーフタイムまでもたないと思った」と明かしたことが紹介されている。

　同メディアは、「美味しくなかった」チョコレートでエネルギー補給を完了した浅野が「全力で１点を決め、ボーフムの素晴らしい祭りをスタートさせた。それは起こるべくして起こった」と綴り、また「ウニオンのファンがチョコレートを投げていなかったら、浅野は（ゴールを挙げた時間帯には）息切れを起こしていたかもしれない。これはクレイジーなことだ」とも付け加えた。

　一方、スポーツ紙『KICKER』は、主導権を握っていたボーフムが浅野の「見事なボレーシュート」で「当然のリード」を奪ったことを報じた後、チームの２点目においては、この日本代表選手が「正しい判断を下した」と評価。しかし、「その直後には、３-０とするチャンスで彼のシュートはサイドネットを揺らした」と大きな逸機があったことも指摘している。
  　また、「浅野は今季、非常に素晴らしいプレーを見せている。ボーフムではリーガ15試合全てに出場している４選手のひとりである。さらに彼は、過去最高の得点力を示している。過去２シーズンでは計52試合で６得点だったのが、今季はすでに５ゴールを決めている。ウニオン戦でも、浅野は目立つ選手のひとりだった」とも称賛。前述のチョコレートの件にも言及し、トーマス・レッチ監督が「今後もゴールを挙げ続けてくれるなら、より多くのチョコレートをプレゼントする」とジョークを飛ばしたことも紹介した。

　複数の現地メディアはこの件を冗談まじりに「チョコレートドーピング」と名付けたが、日刊紙『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』は、「前半終了間際に浅野の時間が訪れた。チョコレートによるエネルギー補給が効いたようだ。日本人選手は、ケビン・シュテーガーのCKからのこぼれ球に思い切って飛び込み、必死にゴールを狙ってゴールにシュートを蹴り込んだ」と綴っている。

構成●THE DIGEST編集部

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