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海外サッカー

“大きな賭け”に勝ったペレス会長とマドリー、逆境を克服して欧州制覇&2冠達成へ王手!「取り返しがつかないと思われた状況を好転させた」

下村正幸

2024.05.16

 おかげで来シーズン、空席のままの前線のポジションはそのままキリアン・エムバペに用意され(ケインがいれば、こうはいかなかった)、CBはレンタル先のアラベスで結果を残したラファ・マリンの復帰で対応すればいい。もっと言えば、補強を見送ったおかげで現有戦力の底上げが図られた。ヴィニシウス・ジュニオールとアントニオ・リュディガーの、新エース&新DFリーダーへの一本立ちは、その何よりの証だ。

 ジュード・ベリンガムの加入で世代交代が一気に進み、エドゥアルド・カマビンガ、ロドリゴらも成熟を遂げている。トニ・クロース、ダニエル・カルバハル、フェルラン・メンディ、ホセル、ブラヒム・ディアス、ルカ・モドリッチ、アルダ・ギュレルらも、レギュラー、控え、ベテラン、若手を問わず、各自がそれぞれの役割を全うしている。そこに今夏、CL制覇を熱望しているエムバペが満を持して加わる。
 
 豊富な経験に裏打ちされたアンチェロッティ監督の手腕も見逃せない。ブラジル代表から熱烈なラブコールを受け、今シーズン限りでの退任が既定路線と見られていた中、昨年12月に2026年6月まで契約を延長した。ピッチ外でも、本拠地サンティアゴ・ベルナベウのリニューアルが完了。超近未来型の器が出来上がり、これからますます経営の好転が予想される。

 一方、宿敵のバルセロナと言えば、会長がむやみやたらとしゃしゃり出て現場を混乱させ、切り札と期待されていた監督が未熟さを露呈し、歴史的と言われる巨額債務を抱え、今夏の補強も明るい見通しが立たず、本拠地カンプ・ノウはリフォームの真っ只中……。マドリディスタの喜びは、バルセロニスタの悲しみ、その逆もまたしかりと言われるが、マドリー優位の下馬評が大勢を占めるCL決勝(6月1日/ドルトムント戦)を約2週間後に控え、両者の明暗がはっきり分かれる形になっている。

文●下村正幸

【動画】まさしく“ベルナベウの奇跡”! 終了間際のホセルの2発でCL決勝へ‼
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