マドリーの理屈で説明のつかない強さを、これまた苦虫をかみつぶすような思いで綴ったのが、もうひとつのバルサ寄りのスポーツ紙『スポルト』のセルヒオ・ロドリゲス・ヴィニャス記者だ。
「マドリーは長い間、消費され、考察され、楽しみ、苦しむ対象になってきた。各自がどのように向き合うかはその人の好み次第だが、ひとつ確かなのは、説明の対象にはならないことだ。いや、それにトライする価値すら無意味なのかもしれない。マドリーはまるで意味が分からない。それが私から彼らに送ることができる最大級の賛辞だ。もう受け入れるしかないのだ。それが、マドリーの栄光が何年も何十年も続いている理由を見つけられないでいる自分を、無知だと思い込む苛立ちに陥らないための処方箋にもなる。マドリーは神のようなもので、信じるか信じないかはあなた次第だが、その存在を裏付ける合理的な論拠はない」
バルセロニスタとして知られる作家のウーゴ・スコッシア氏に至っては、『スポルト』紙に寄せたコラムの中で、その諦めの境地を「マドリーの決勝戦を観戦するのはマゾヒストになること」と表現している。
つい数年前まで、バルセロニスタの間では、リオネル・メッシという不世出の天才を擁しながら、CLの通算優勝回数において、マドリーに迫ることができなかったことに対する自責の念が広がっていた。そしてメッシの退団を境に、その差はさらに拡大している。
「マドリーがCLで強さを誇ったのは、まだテレビが白黒だった時代のこと」という言いがかりも、優勝回数がカラーになってからのほうが上回るに至り、まるで通用しなくなってしまった。バルサは先週、ハンジ・フリックの新監督就任を発表したが、これもCL決勝に臨むマドリーへの当て馬だったというのがもっぱらの噂だ。しかしCL制覇後のキリアン・エムバペの入団発表で、いまやそのニュースも随分と霞んでしまった。
行き場のない鬱憤は、ついには「内容よりも結果を重んじるスタイルに舵を切るべき」と、伝統のDNAを巡る論争にまで発展する始末だ。バルセロニスタにとって我慢の日々が続いている。
文●下村正幸
【動画】マドリーが15回目の欧州制覇! CL決勝ハイライト
「マドリーは長い間、消費され、考察され、楽しみ、苦しむ対象になってきた。各自がどのように向き合うかはその人の好み次第だが、ひとつ確かなのは、説明の対象にはならないことだ。いや、それにトライする価値すら無意味なのかもしれない。マドリーはまるで意味が分からない。それが私から彼らに送ることができる最大級の賛辞だ。もう受け入れるしかないのだ。それが、マドリーの栄光が何年も何十年も続いている理由を見つけられないでいる自分を、無知だと思い込む苛立ちに陥らないための処方箋にもなる。マドリーは神のようなもので、信じるか信じないかはあなた次第だが、その存在を裏付ける合理的な論拠はない」
バルセロニスタとして知られる作家のウーゴ・スコッシア氏に至っては、『スポルト』紙に寄せたコラムの中で、その諦めの境地を「マドリーの決勝戦を観戦するのはマゾヒストになること」と表現している。
つい数年前まで、バルセロニスタの間では、リオネル・メッシという不世出の天才を擁しながら、CLの通算優勝回数において、マドリーに迫ることができなかったことに対する自責の念が広がっていた。そしてメッシの退団を境に、その差はさらに拡大している。
「マドリーがCLで強さを誇ったのは、まだテレビが白黒だった時代のこと」という言いがかりも、優勝回数がカラーになってからのほうが上回るに至り、まるで通用しなくなってしまった。バルサは先週、ハンジ・フリックの新監督就任を発表したが、これもCL決勝に臨むマドリーへの当て馬だったというのがもっぱらの噂だ。しかしCL制覇後のキリアン・エムバペの入団発表で、いまやそのニュースも随分と霞んでしまった。
行き場のない鬱憤は、ついには「内容よりも結果を重んじるスタイルに舵を切るべき」と、伝統のDNAを巡る論争にまで発展する始末だ。バルセロニスタにとって我慢の日々が続いている。
文●下村正幸
【動画】マドリーが15回目の欧州制覇! CL決勝ハイライト
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