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海外サッカー

「最も長く続いた移籍物語が、必然的な結末を迎えた」 マドリーがエムバペの獲得を狙い続けた12年間を地元紙が回想!「14歳でマドリードを訪れた時から…」

THE DIGEST編集部

2024.06.05

 そして、モナコでプロのキャリアをスタートしたエムバペが2016-17シーズンに爆発的なパフォーマンスを発揮し、26ゴールを挙げてリーグアン優勝、CL準決勝進出に貢献すると、マドリーはオフに1億8000万ユーロ(約306億円)のオファーを出す。しかし、彼の父親がスペインで十分なプレー時間を得られるのか懸念を示して交渉が停滞した間に、パリSGがユニークな条件を提示し、1年目はレンタルで、後に買い取り義務が伴う契約を結んだ。

 同額のオファーでありながらパリSGに出し抜かれることになったマドリーは、2018年にロシア・ワールドカップ優勝の原動力となるなど、飛躍的に価値を高めたエムバペが2021年にクラブレベルで新たな挑戦を求めていることを知る。そして8月に1億6000万ユーロ(約272億円)、次に1億8000万ユーロをパリSGに提示したが、どちらのオファーに対しても公式な返答を得られず、両クラブ間の関係が悪化した。

 とはいえ、2022年でパリSGとの契約満了を迎えることから、マドリーはこれを待つ構えだった。しかし、同年5月にエムバペはパリ滞在をさらに2年(1年延長のオプション付き)延ばすことを発表。これはマドリーにとっては裏切りと映り、その後はエムバペの獲得に慎重な姿勢を示すようになるが、当の本人は契約延長から数か月後にはパリSGのプロジェクトを批判し、クラブ側は契約解除金を4億ユーロ(約680億円)に設定するなど、関係は悪化した。そしてエムバペは、早い段階から延長オプションを行使しない意思を示していた。
 
 そして今年2月、ついに長期契約のための条件面でエムバペとマドリーが合意したとの報道がなされ、それから4か月後、10年超の時を経て、ついに移籍は実現することとなった。

 紆余曲折を経ての融合が今後、それぞれにどのような恩恵をもたらすことになるのか。長い間待っただけの甲斐があったということになるのか、あるいは遅すぎた契約となるのか。来季以降のラ・リーガやCLで明らかになる。

構成●THE DIGEST編集部

【画像】14歳のエムバペ、マドリーの練習に招待されたときの写真
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