しかし、母国のスポーツ紙『A BOLA』は「緊張して、神経が張り詰め、ゴールを待ち望んだ彼は、PKを失敗した時に涙を流した。それ以前にも、FKで無意味にゴールを狙おうとした時に、そのプレッシャーが見て取れた。しかし、PK戦で救済の時が到来し、見事に最初のキックを成功させた」と、彼が精神的に追い詰められた状態で、強引なプレーに走ったことを指摘した。
スロベニア戦でも幾度かFKのキッカーを務めながら、枠を捉えられなかったことについて、リバプールのレジェンドのひとりであるスティーブ・ニコルがスポーツ専門チャンネル『ESPN』で「ロナウドがFKでクロスバーの上へ蹴ったり、壁に当てたりし続けるのは無責任な行為だ。彼はEUROでの34試合で1本もFKを決めていない。自分のエゴを脇に置き、『よし、ここは自分が退く必要がある』と言えるだけの責任感を持つ必要がある」と、厳しく主張している。
FKだけでなく、PKを蹴り続けることに対しても苦言を呈したのは、同じくリバプールで活躍した元ドイツ代表のディトマー・ハマンで、「39歳の選手が120分間プレーし、PKを外した。私は『ロナウドは以前よりもチームプレーヤーになった』という話を鵜吞みにし、そのナンセンスな話を信じてしまっていたが、今夜、彼は再び本性を見せたと思う。ロナウドは自分のことしか考えていない。彼は準々決勝のフランス戦にも先発出場するだろうが、フランスが勝つ以外の結果は考えられない」と、アイルランドの放送局『RTE』で語った。
もっとも、120分間プレーするのも、PKのキッカーを務めるのも、ロナウドの一存で決められることではないと思われ、ハマンの怒りが「CR7」に全て向けられるのにはやや違和感があるが、それ以上に英国のメディアは現在サウジアラビアでプレーするポルトガル人に辛らつであり、日刊紙『The Guardian』は以下のように、39歳のFWの能力や起用に疑問を呈している。
「彼のプレーにはポゼッションを失う多くのミスがあり、特に目立ったのは、彼がわずかに届かなかった一連のクロスだ。そのジャンプ力はもはや以前ほどではなく、反応も鋭さを欠き、反射神経もやや鈍っている。かつてなら確実に決めていたチャンスが今では無駄になってしまうのだ」
「普通なら、これほど調子を崩している選手を起用し続けることは大きな問題になるだろう。好調時でも、その存在感の大きさはチームに不均衡をもたらしていたほどだ。しかし、これがポルトガルであり、ロナウドだ。彼はフランス戦でもスタメン入りするだろう。ポルトガルの多くの才能ある攻撃選手は、『ロナウド・ショー』の脇役としての役割に不満を持っているのではないかと疑問を感じる。W杯やEUROをロナウドの引退ツアーのように扱うことが賢明なのかどうかも」
一方で英国公共放送『BBC』は、試合のハイライトでロナウドのPK失敗を揶揄する意味で「Missitiano Penaldo」というテロップを放送。選手への敬意のかけらも感じられない行為には、一般視聴者だけでなく、元イングランド代表のジョン・テリーからも「これは恥ずべきことだ」と怒りを買ってしまう始末である……。
このように、ルカク、ロナウドのいずれも批判を浴びる厳しい1日となったが、それでも後者は2016年大会以来の代表タイトル獲得に望みを繋ぎ、また自身の名誉を回復するチャンスも残しており、その意味で2人のストライカーの明暗は大きく分かれることとなったのである。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】EURO2024決勝トーナメント1回戦、フランス対ベルギーのハイライト
スロベニア戦でも幾度かFKのキッカーを務めながら、枠を捉えられなかったことについて、リバプールのレジェンドのひとりであるスティーブ・ニコルがスポーツ専門チャンネル『ESPN』で「ロナウドがFKでクロスバーの上へ蹴ったり、壁に当てたりし続けるのは無責任な行為だ。彼はEUROでの34試合で1本もFKを決めていない。自分のエゴを脇に置き、『よし、ここは自分が退く必要がある』と言えるだけの責任感を持つ必要がある」と、厳しく主張している。
FKだけでなく、PKを蹴り続けることに対しても苦言を呈したのは、同じくリバプールで活躍した元ドイツ代表のディトマー・ハマンで、「39歳の選手が120分間プレーし、PKを外した。私は『ロナウドは以前よりもチームプレーヤーになった』という話を鵜吞みにし、そのナンセンスな話を信じてしまっていたが、今夜、彼は再び本性を見せたと思う。ロナウドは自分のことしか考えていない。彼は準々決勝のフランス戦にも先発出場するだろうが、フランスが勝つ以外の結果は考えられない」と、アイルランドの放送局『RTE』で語った。
もっとも、120分間プレーするのも、PKのキッカーを務めるのも、ロナウドの一存で決められることではないと思われ、ハマンの怒りが「CR7」に全て向けられるのにはやや違和感があるが、それ以上に英国のメディアは現在サウジアラビアでプレーするポルトガル人に辛らつであり、日刊紙『The Guardian』は以下のように、39歳のFWの能力や起用に疑問を呈している。
「彼のプレーにはポゼッションを失う多くのミスがあり、特に目立ったのは、彼がわずかに届かなかった一連のクロスだ。そのジャンプ力はもはや以前ほどではなく、反応も鋭さを欠き、反射神経もやや鈍っている。かつてなら確実に決めていたチャンスが今では無駄になってしまうのだ」
「普通なら、これほど調子を崩している選手を起用し続けることは大きな問題になるだろう。好調時でも、その存在感の大きさはチームに不均衡をもたらしていたほどだ。しかし、これがポルトガルであり、ロナウドだ。彼はフランス戦でもスタメン入りするだろう。ポルトガルの多くの才能ある攻撃選手は、『ロナウド・ショー』の脇役としての役割に不満を持っているのではないかと疑問を感じる。W杯やEUROをロナウドの引退ツアーのように扱うことが賢明なのかどうかも」
一方で英国公共放送『BBC』は、試合のハイライトでロナウドのPK失敗を揶揄する意味で「Missitiano Penaldo」というテロップを放送。選手への敬意のかけらも感じられない行為には、一般視聴者だけでなく、元イングランド代表のジョン・テリーからも「これは恥ずべきことだ」と怒りを買ってしまう始末である……。
このように、ルカク、ロナウドのいずれも批判を浴びる厳しい1日となったが、それでも後者は2016年大会以来の代表タイトル獲得に望みを繋ぎ、また自身の名誉を回復するチャンスも残しており、その意味で2人のストライカーの明暗は大きく分かれることとなったのである。
構成●THE DIGEST編集部
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