当然ながら、多くの関係者が哀悼と感謝の意を表わしているが、彼がキャリアにおいて最も充実した時期を過ごしたとも言えるラツィオは、「ミステル、我々のためにしてくれたこと全てに感謝する」とSNSに投稿。またクラブの専門メディア『LA LAZIO SIAMO NOI.IT』は、「我々をイタリアの頂点、そして欧州の頂点へと導いてくれた偉大な人物であり、人間として我々に大切な感情を伝えてくれた。それを我々は永遠に大切にしていくだろう」と、追悼記事で綴っている。
そしてイングランドでは、まず英国王室からサッカー協会のパトロンでもあるウィリアム王子が「エリクソンのカリスマ性とサッカーへの情熱にいつも感銘を受けていた。まさに彼はサッカー界の紳士だった」、キア・スターマー首相は「彼はイングランド・サッカーに多大な貢献を果たしたことで記憶に残るだろう」と、それぞれ声明を発した。
イングランド代表で共闘した当時の選手では、この時期に主力として最もその価値を高めたであろうデイビッド・ベッカムが「いつも情熱的で、思いやりがあり、穏やかで、真の紳士であるあなたでいてくれてありがとう」、エリクソンの下で代表デビューを飾ったウェイン・ルーニーは「特別な人だった。思い出と、その助けとアドバイスに感謝したい」とメッセージを送っている。また、毒舌で鳴らす同国の元ストライカーでコメンテーターのガリー・リネカーも、「本当に素敵な人物だった」という賛辞とともにその死を惜しんでいる。
英国公共放送『BBC』は、「エリクソンは魅力的で礼儀正しい人物で、様々な個人的なスキャンダルに直面しても、それを巧みにかわしながら微笑みを絶やさない不思議な能力を持っていた。厳しい状況でも、彼を問い詰める者たちに一切反撃されることはなかった。彼が怒りを示すことはほとんどなく、もしあったとしてもそれは極めて稀だった」と、その人間性をポジティブに評した。
前述の通り、世界中を渡り歩いてサッカー界に貢献を果たした偉人は、日本サッカー界の指導に直接関わることはなかったが、ラツィオ時代に『サッカーダイジェスト』のインタビューで、アーセン・ヴェンゲルの後任候補として名古屋グランパスと交渉を行なっていたことを明かしており(他にもうひとつコンタクトしてきたクラブがあったとか)、当時セリエAのペルージャでプレーしていた中田英寿、さらには1994-95シーズンにジェノアでプレーした三浦知良といった日本人選手を高く評価していたものである。
また、「現役を終えた時期、真剣にスポーツ記者になりたいと思い、学校に通おうとしたこともあった。結局、考え抜いた末に監督になったが、この選択が正解だったかは今もって分からない」とも語っていたエリクソン。その輝かしい人生は間違いなく称賛に値するものであり、敬意を表するとともに、冥福を祈りたい。
構成●THE DIGEST編集部
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また、「現役を終えた時期、真剣にスポーツ記者になりたいと思い、学校に通おうとしたこともあった。結局、考え抜いた末に監督になったが、この選択が正解だったかは今もって分からない」とも語っていたエリクソン。その輝かしい人生は間違いなく称賛に値するものであり、敬意を表するとともに、冥福を祈りたい。
構成●THE DIGEST編集部
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