先週行なわれた男子テニスツアーのマスターズ1000シリーズ「シンシナティ・オープン」（アメリカ・シンシナティ／ハードコート）で怒涛の快進撃を見せた世界ランキング69位のテレンス・アトマネ（フランス）が、予選から出場予定だった今季最後の四大大会「全米オープン」（８月24日～９月７日／アメリカ・ニューヨーク）を足の負傷により欠場すると自身のSNSで発表した。

　今年のシンシナティOPに初出場したサウスポーの23歳は予選２試合を勝ち抜いて本戦入りすると、１回戦で西岡良仁（大会時130位）、２回戦ではフラビオ・コボッリ（イタリア／同22位）、３回戦ではジョアオ・フォンセカ（ブラジル／同52位）を破り、４回戦ではトップ５選手のテイラー・フリッツ（アメリカ／同４位）からフルセットの末に金星を獲得。

　続く準々決勝でも元４位のホルガー・ルネ（デンマーク／同９位）に快勝して４強入りを果たした。準決勝では王者ヤニック・シナー（イタリア）に6-7(4)、2-6のストレートで敗れたものの、男子テニス界に強烈なインパクトを与えた。

　この結果、シンシナティ開幕前まで136位だったランキングを一気に69位まで押し上げ、キャリア初のトップ100入りを果たしたアトマネ。しかしまもなく開幕する全米オープンは８月初めにエントリーを締め切っていたため、今回のランクアップは反映されず予選からの出場となっていた。
  　ところが大ブレーク中の23歳は、８月19日に更新したインスタグラム（@terenceatmane）のストーリーズ（24時間で自動消去される投稿）で「全米オープンではプレーできなくなりました」と報告。その理由については「18日にニューヨークで受けた足のMRI検査の結果、部分断裂や筋肉の損傷が見られました」と説明し、来るアジアシーズンに向けて万全の状態に戻していきたいとの意欲を示した。現時点では９月17日～23日に開催される「成都オープン」（中国・成都／ハード／ATP250）に出場予定だと綴っている。

「シンシナティでの結果を受けて、さらに上を目指したい気持ちがあるので全米でプレーできないのは残念ですが、自分とチームにとっては賢明な判断だと思っています。アジアシーズンに向けて準備を進めていくというのが最善の決断でした」

　ニューヨークでも豪快に振り抜くフォアハンドで強豪たちをなぎ倒すことを期待されていただけにアトマネの欠場は非常に残念だが、とにかく今は治療と休養に専念し、再び元気な姿でコートに立ってくれることを願いたい。

文●中村光佑

【動画】アトマネが世界４位のフリッツを破った「シンシナティOP」４回戦ハイライト

【関連記事】試合前の珍シーン!? 快進撃のアトマネが誕生日のシナーにポケモンカードをプレゼント＜SMASH＞

【関連記事】イライラして打ったボールを女性客に当てたテニス選手が謝罪！「感情の爆発をお許しください」【全仏オープン】＜SMASH＞