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海外テニス

ジョコビッチ自身が“GOAT論”に言及「自分が史上最高だなんて言えない」。可能性がある選手は…<SMASH>

中村光佑

2025.11.12

“GOAT論”についてジョコビッチ(左)は「各時代を比較するのは難しい」という見解だ。ただ、ボルグ(右)が早く引退しなければ可能性はあったとも語る。(C)Getty Images

“GOAT論”についてジョコビッチ(左)は「各時代を比較するのは難しい」という見解だ。ただ、ボルグ(右)が早く引退しなければ可能性はあったとも語る。(C)Getty Images

 最高峰の舞台であるテニス四大大会で男女を通じて史上最多タイの24度の優勝を誇る男子元世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現世界ランク4位/38歳)。彼ほど “史上最高”の称号にふさわしい選手はいないだろう。

 宿命のライバルで“ビッグ3”として共にテニス界を牽引したロジャー・フェデラー(スイス/元1位/20勝)とラファエル・ナダル(スペイン/元1位/22勝)が、ジョコビッチよりも少ない四大大会優勝回数で先にキャリアを終え、一部ではこれをもってGOAT(Greatest Of All Time/史上最高の選手)論が決着したとする見方もある。

 だが先日、英YouTubeのトーク番組『Piers Morgan Uncensored』で同国の著名司会者ピアーズ・モーガン氏による独占インタビューに応じたジョコビッチは、「自分が史上最高の選手だと思うか?」との質問に対し、こう答えた。

「最近は頻繁にその質問を受けるが、僕の答えは一貫している。自分が『史上最高の選手だ』なんて言えないし、それを言う立場にはない。僕以前の世代の選手やナダルとフェデラー、他の選手たちへの敬意を欠くことにもなるからね。我々のスポーツはこの50年で大きく変化してきたから、各時代を比較するのは非常に難しい」

 続けて3つのサーフェス全て(ハード・クレー・芝)で高いレベルを維持していることが“史上最高”の称号を得ることにつながるかと問われると、「現代テニスで言えば、それは必要なこと」と前置きしつつ、「昔に遡れば、四大大会のうち3大会は芝で行なわれていたが、今では芝の大会は年間で1カ月ほどだから、当時と今では状況が違う」と回答。
 
 その上でジョコビッチは早期引退したために史上最高と呼ばれていない選手についても触れ、自分の中では“燃え尽き症候群”により26歳の若さでキャリアを終えたビヨン・ボルグ(スウェーデン/現69歳)がそれに値すると語った。ボルグは現役時代に全仏オープン4連覇とウインブルドン5連覇を含む四大大会11勝を挙げ、世界ランキング1位も記録した、男子テニスを代表するレジェンドだ。

「ボルグは史上最高の選手になる可能性があったと思う。彼は当時としてはボールに多量のトップスピンをかけた稀有な選手で、常にコート後方でプレーしながら多くの選手を混乱させ、素晴らしいキャリアと功績を残した。もし彼が26歳以降も現役を続けていれば、今でも彼が史上最高とされていたかもしれない」

 そして最後には史上最高となりうる次世代の選手に、先の全米オープンで22歳にして早くも四大大会6勝目を挙げたカルロス・アルカラス(スペイン/現1位)をピックアップ。「彼はその道をたどろうとしている。僕の記録に追いつくどころか破ってしまうかもしれない。彼はまだ生涯グランドスラム(全四大大会制覇)を達成していないが、来年の全豪オープンでその偉業に挑むだろう」と締めくくった。

文●中村光佑

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