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慶應生&東大生研究チームが徹底分析!テニスの競技成績を飛躍的に向上させるヒント【ブレークスルーの鍵:第11回】<SMASH>

2026.01.01

試合を通して、いかに「メンタルブロック」を外すことができるのか?(C)Getty Images

試合を通して、いかに「メンタルブロック」を外すことができるのか?(C)Getty Images

 どうすればテニスで一段上のステージへ行けるのだろうか?日々練習に打ち込み、試合にも出場している方であれば、誰でも一度は思うことでしょう。

 この謎に迫るべく、飛躍的に競技成績が向上する現象を「ブレークスルー」と名付け、過去にブレークスルーの経験があり、全国大会で上位進出経験のある8名の選手にインタビューを行ない、その内容を徹底分析しました。

 第11回は、「頻繁に大会へ出場すること」の重要性について解説していきます。



■ブレークスルーは「いつ」起こるのか?

 これまでの連載では、ブレークスルーにつながる練習への取り組み方や、モチベーションの高め方を紹介してきました。これらはいずれも、ブレークスルーの実現にとって必要不可欠な要素です。

 しかし、本連載ではブレークスルーを「ある時期を境に、競技成績が飛躍的に向上する現象」と定義しています。この定義に立ち返ると、ブレークスルーが実際に起こるのは、練習ではなく、試合の場面なのです。すなわち、練習で良い感覚を掴み、パフォーマンスが向上することは、ブレークスルーの重要な前提条件のひとつですが、試合での結果が変わらなければ、それはブレークスルーとは言えません。

 筆者自身の経験や、周りの選手との会話を振り返ってみても、「試合よりも練習の方が好き」という選手は意外にも多いものです。しかし、ブレークスルーの確率を高めるためには、練習することと同じくらい、試合に出場する機会を増やすことが重要になります。
 
■格上選手への勝利によって「メンタルブロック」が外れる

 多くの選手は、ブレークスルーを経験した当時を振り返り、「一度格上の選手に勝ったとき、『自分はこのレベルでも戦えるんだ』と思えた。この『自己評価が変わる瞬間』が、とても大切だと思う」と語ります。これは、過去の試合結果をもとに無意識のうちに形成された「自分はこのくらいのレベルの選手なのだ」という「メンタルブロック」が外れる瞬間だと言えます。その結果、選手は自分の潜在的な能力を、これまで以上に発揮できるようになるのです。

「メンタルブロック」が外れるきっかけは、「自分が勝った」という「直接的な成功体験」であることが多いですが、実はそれだけではありません。心理学の研究では、自分と似た立場や状況の他者の成功を目の当たりにし、「この人ができるなら、自分にもできるかもしれない」と感じる「間接的な体験」もきっかけになり得るとされています。日頃から一緒に練習しているチームメイトが好成績を残した姿を見ることも、その一例です。

 こうした「メンタルブロック」の影響力を象徴する事例として、陸上競技の「10秒の壁」が挙げられます。陸上競技の100m走では、長らく平地で10秒を切る選手が現れなかったなか、1983年にカール・ルイスが9.97秒を記録すると、その直後から次々に10秒を切る選手が登場しました。その背景には、トレーニング方法や用具の進化といった環境的な要因もありますが、「10秒を切ることは不可能ではない」と信じられるようになったこと,すなわち「メンタルブロック」が外れたことも、ひとつの要因であったと考えられます。
 
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