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海外テニス

上の舞台で揉まれた内島萌夏が全豪初戦で示した成長の証。最後まで維持した“オンモード”<SMASH>

内田暁

2026.01.20

全豪オープンで2年連続の初戦突破を果たした内島萌夏。最後まで集中力が切れなかった。(C)Getty Images

全豪オープンで2年連続の初戦突破を果たした内島萌夏。最後まで集中力が切れなかった。(C)Getty Images

 この日、20本目の“サービスポイント”を決めると、硬くかみしめるように、胸の前で拳を固めた。それは内島萌夏(世界ランク88位)が「全豪オープンテニス」で手にした2年連続の初戦勝利。63位のソラナ・シエラを相手に、スコアは6-3、6-1。試合時間は、わずか1時間3分。夕闇迫るメルボルンの空の下で、圧巻のパフォーマンスを披露した。

「今日は最初から最後まで、安心して見ていられました」

 日本ナショナルチーム・ヘッドコーチの奈良くるみ氏が、妹分の勝利を見届け明るく笑った。

「試合中に“お昼寝”しちゃう」というのは、奈良氏がたびたび用いてきた、集中力が欠けた状態の内島を指す愛らしい表現。174センチの体躯を生かしクリーンにボールを打ち抜く内島は、ひとたびゾーンに入ると、手がつけられない強さを示す。

 その一方で、心のエアポケットに入ったかのように、相手に連続ポイントを許すこともあった。実は今回の全豪1回戦も、4試合目に組まれたと知った時、内島は「夜の試合は苦手。ちょっと嫌だな」と思ったという。遅い時間帯の試合を苦手とするのは、「普段なら夕飯を食べる時間帯なので、“オフモード”になっちゃうから」。

 その内島がこの日の試合は、最後まで“オンモード”を維持した。第2セットの出だしこそサービスゲームを落としたが、直後のゲームをブレーク。続くサービスゲームを苦しみながらもキープすると、以降は相手に7ポイントしか許さず、ゴールまで疾走した。
 
 昨シーズンの内島は、世界3位のジェシカ・ペグラを破るなど数々の殊勲の星を手にし、キャリア最高の47位も記録。同時に、ツアーを主戦場とし、悔しい敗戦をも経験した中で、トップ選手の強さの精髄にも触れてきた。

「上の選手たちは、『波がない』ことが一番大きいです。調子の悪い時でも、悪いなりに安定しているのが、すごいところだと感じました」

 リードしていても、少しでも気を抜けばたちまち試合を引っくり返されてしまう切迫感。相手のミスを期待しては、勝利は手元からこぼれ落ちる緊張感。それらを肌身で知るからこそ、最後まで集中力が切れなかった。

 もう1つ、昨シーズンを通し高いレベルで戦ったことで、改めて実感したのがトップ選手たちの「パワー」。球威に対抗し自ら出力を生もうとすれば、身体への負担も増す。そこで「相手のパワーを利用し、反発で打つ」べく、複数のラケットやストリングも試した。

 試行錯誤の末、最終的に選んだのはヨネックスのラケット。もちろん、変化への不安はあったし、アジャストにも時間を要する。シーズン序盤は多少の違和感も覚えたが、最も勝ちたい大舞台に間に合わせた。

 内島はこれまでは、取材等で「目標」を問われても、具体的な数字を口にすることが少なかった。その彼女が今は、「今年は30位突破を狙う」と明言。その地点へと延びる順路を明確に思い描き、今大会でも、未踏の領域を目指す。

現地取材・文●内田暁

【動画】内島萌夏がシエラに快勝した全豪OP1回戦ハイライト

【画像】内島萌夏をはじめ、全豪オープン2026で熱戦を繰り広げる女子選手たちの厳選写真!

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