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海外テニス

【伊達公子】オーストラリアのジュニア育成方法から日本が参考にするべき点<SMASH>

伊達公子

2026.03.13

「隙間を埋めるスケジューリングで世界に通用するジュニアを育てるのは困難」と言う伊達公子さん。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

「隙間を埋めるスケジューリングで世界に通用するジュニアを育てるのは困難」と言う伊達公子さん。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 今年の全豪オープンテニスのジュニア予選を現地で見て、アジア各国の取り組みが垣間見られました。韓国はチームで来ていましたが、企業の財団がサポートしてチームを作っているようでした。現在、女子はWTAレベルの韓国人選手はいませんが、ジュニアの段階からサポートを受けられる環境があると今後は強くなりそうです。

 中国は国から取り組む競技を指示されるという話をよく聞きますが、テニスはフィジカルで選んできたなという感じです。大きい選手ばかりでした。男子は180センチは余裕でありそうでしたね。女子でも175センチはあったのではないでしょうか。トレーナーも帯同して、独自のトレーニングを行なっていました。

 今回、オーストラリアの16歳ぐらいまでの育成を見ている責任者の方と話す機会がありました。日本との違いは計画性があることです。各州のトレーニングセンター(以下トレセン)に有望ジュニアを集めて、10歳や12歳までにクレー、ハード、芝の3つのサーフェスで練習をさせるそうです。それは、各サーフェスで必要な技術を身に付けさせるためです。

 低年齢の時に色々なことを学ばせるために、同じ年代の中で勝ち続けている場合は、上の年代に挑戦させて、負けることで何が必要かと言うことを気付かせます。そうして、さらに上を目指すように導くわけです。
 
 話しを聞いていて、オーストラリアのトップジュニアは、おそらく国内の全国大会にあまり出場していないのではないかと思いました。なぜなら、ITFジュニアの大会を中心にスケジューリングを組むことができているからです。だから、挑戦する期間と安定してポイントを取る期間を設けることができて、計画的に成長させることが可能なのです。

 日本の場合は、スケジュールを組む時に全国大会に出場するのが基本にあり、それ以外の空いた期間にITFの大会を入れるジュニアが多いため、なかなか計画的なスケジュールが組めません。オーストラリアのように積み上げていくのではなく、隙間を埋めるスケジューリングで、世界に通用するジュニアを育てるのは困難です。

 オーストラリアでは、メルボルンがメインではありますが、どこの州でもライセンスを保持しているコーチから指導を受けられて地域差がない点は、裾野を広げられる要素でしょう。日本にも地域トレセンがありますが、オーストラリアには及びません。それには、グランドスラムがあることによる収入の違いが影響していますが、世界を知る現場の指導者が増えることは大切だと思います。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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