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海外テニス

プライバシー問題で揺れるテニス界、発端となったガウフが「撮影禁止エリアと可能エリアを示す標識の設置」を提言<SMASH>

中村光佑

2026.04.15

舞台裏でのラケット破壊映像が拡散され、プライバシー問題が議論される発端となったガウフが、自ら解決策を提示した。(C)Getty Images

舞台裏でのラケット破壊映像が拡散され、プライバシー問題が議論される発端となったガウフが、自ら解決策を提示した。(C)Getty Images

 最近テニス界で議論となっている選手のプライバシー問題。発端は今年初めの四大大会「全豪オープン」の女子準々決勝に敗れたココ・ガウフ(アメリカ/世界ランク3位)が、試合後にコート裏の通路で怒りのあまりラケットを叩きつけて破壊する姿が中継カメラに収められ、その映像がネット上でも拡散されてしまったことだった。

 ガウフはその後の会見で「カメラのない場所に行こうとしたのにラケット破壊の瞬間まで放送されていた」と、ロッカールーム以外に私的な空間がない現状への不満を表明。これを受け、イガ・シフィオンテク(ポーランド/同4位)やジェシカ・ペグラ(アメリカ/同5位)らツアー仲間も、舞台裏にまで及ぶ撮影体制に懸念の声を上げていた。

 さらには先日の男子ツアー大会「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(クレーコート/ATP1000)でカルロス・アルカラス(スペイン/同2位)もこの話題に言及。「ファンにとって舞台裏を見られるのは素晴らしいこと」と理解を示しつつも、「選手たちにも1人で落ち着いて過ごせる空間が必要」と改善を求めていた。

 現在開催中の女子ツアー大会「ポルシェ・テニス・グランプリ」(4月13日~19日/ドイツ・シュツットガルト/室内クレー/WTA500)の会見でも、選手のプライバシー確保に関する質問が飛び、議論のきっかけとなったガウフが自身の見解を示した。彼女が「良い解決策」の1つとして提案したのが、「撮影禁止エリアと可能エリアを明確に示す標識の設置」だ。さらに、こうした対応についてはWTA(女子テニス協会)をはじめとした管轄組織も積極的に関与していくべきだと主張した。
 
「標識の設置は急務で、それをWTAなどがある程度コントロールすべきだと思う。四大大会の場合はWTAの管轄ではないから介入するのは難しいと思うけど、何らかの影響は与えられるはず。とにかく何を映すことができて、何を映してはいけないかを明確にすべきだと思う」

 とはいえガウフも自身のラケット破壊が事を大きくしてしまったことへの自覚は持っている様子だ。ただ結果的には、それを発端に議論が広がり、アルカラスが声を上げることにもつながった。「自分がこの話題の先駆者的な存在になれたのなら良かった」と彼女は語り、最後に改めてこう訴えた。

「今の撮影体制は本当に行き過ぎている。私たちはアスリートで、コート上でショーを見せるのが仕事。ジムでの撮影はいいと思うけど、コート裏のあらゆる場面にカメラが及ぶのは違うと思う。

 中には、選手のスマートフォンの画面をカメラがズームし、メッセージの内容が公にさらされてしまうケースもあった。それがSNSで切り取られて拡散されているのも目にしたけど、そこまで行くとやり過ぎだと感じる」

 世界中でオンライン化が加速する今、エンタメ性が過度に重視されるあまり、個々人のプライバシーは軽視されがちだ。今回の議論をきっかけに、選手が安心してツアーを転戦できる環境整備が進むことが期待される。

文●中村光佑

【動画】プライバシー問題が議論される発端となった、全豪コート裏でのガウフのラケット破壊シーン

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