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「今は亡き父のためにプレーしている」失意のサバレンカが今季初優勝を飾る【女子テニスWTAツアー】

スマッシュ編集部

2020.03.02

自身のモチベーションでもあった最愛の父を亡くしたサバレンカが、悲しみを乗り越えて今季初のタイトルを獲得した。(C)Getty Images

 女子テニスのWTAツアーでは、2月24日からの週に「カタール・オープン」(カタール)と、「メキシコ・オープン」(メキシコ)の2大会が開催された。

 カタール・オープンのシングルス決勝は、アリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)がペトラ・クビトワ(チェコ)を破り、ツアー6勝目を飾った。高精度のショットを駆使した攻撃的なプレーを得意とする21歳のサバレンカは、7本のエースと21本のウイナーを決めるなど終始ゲームを支配。過去1勝2敗と負け越している相手を、74分で振り切ってみせた。

 今季開幕前に最愛の父セルゲイ氏を亡くしたサバレンカは、「ここまで長い道のりでした。私は全てをテニスに注いできました。シーズンの前に、私の一番のモチベーションであった父を亡くした今、私は父のためにプレーしています」と心の内を明かしている。

 なおダブルス決勝は、第1シードのシェイ・スーウェイ/バルボラ・ストリコワ(台湾/チェコ)が優勝した。両者は今季開幕戦であるブリスベン国際を含めて4大会連続決勝進出を果たし、うち3大会で優勝するなどここまで圧倒的な強さを誇っている。
 
 一方、メキシコ・オープンは、ヘザー・ワトソン(イギリス)が優勝した。決勝の相手は昨年の全仏ジュニアの覇者で、今大会は予選から勝ち上がってきた17歳のレイラ・フェルナンデス(カナダ)。ワトソンは第1セットを奪うも続く第2セットはタイブレークに持ち込まれ、4度のマッチポイントを決めきれず試合はファイナルセットへ。

 流れがフェルナンデスに傾くかと思われたファイナルセットだったが、「気持ちを切り替えられた」ワトソンは、ここからギアを一気に上げ付け入る隙を与えず。2時間46分に及ぶ戦いに終止符を打った。

「とてもアップダウンの激しい試合でしたが、最後に勝利できてうれしいです」と試合を振り返ったワトソンは、準優勝したフェルナンデスについて、「精神的な強さが際立った選手だと思います。このままいけば早いペースでランキングも上げていくはず」とその才能を認めた。

【2月24日週のWTA試合結果】
■カタール・オープン
開催地:カタール(ドーハ)
賞金総額:324万445ドル
大会グレード:プレミア5

女子シングルス決勝
A・サバレンカ[9] 6-3 6-3 P・クビトワ[8]

女子ダブルス決勝
シェイ・スーウェイ/B・ストリコワ[1] 6-2 7-5 10-2 G・ダブロウスキー/J・オスタペンコ[6]

■メキシコ・オープン
開催地:メキシコ(アカプルコ)
賞金総額:27万5,000ドル
大会グレード:インターナショナル 

女子シングルス決勝
H・ワトソン[7] 6-4 6-7(8) 61  L・フェルナンデス 
※名前後の数字=シード

女子ダブルス決勝
D・クラウチェク/G・オルモス[2] 6-3 7-6(5) K・ボンダレンコ/S・フィッチマン

【3月2日週のWTAツアースケジュール】
■GNPセグロス・オープン
開催地:メキシコ(モンテレイ) 大会グレード/インターナショナル

■6センス・オープン
開催地:フランス(リヨン) 大会グレード/インターナショナル

構成●スマッシュ編集部

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