「やっぱり自分の武器は、まず足!」
スッと背筋を伸ばしてアゴを上げ、彼女は自分の太ももをピシャリと叩いた。
現在、有明テニスの森で開催中の女子テニス国際大会「安藤証券オープン」(4月21日~26日/東京・有明/W100)。その2回戦で本玉真唯が、内藤祐希に辛勝した後のことである。第1セットを快調に取った本玉は、第2セットも5-1と大きくリード。だがここから内藤の反撃を許し、逆転でセットを奪われる。最終セットも立て続けにブレークを許し、たちまち0-3のビハインド。
その敗戦への流れを断ち切ったのが、コートを縦横に駆けた走力だ。決まったと思われた内藤の強打を、幾度も幾度もラケットの先で引っ掛けるようにして拾う。同時に高低差のある組み立てで、相手の打点をずらしていく。最終スコアは、6-1、6-7(5)、7-5。粘り強さと、本人いわく「最後は気合い!」の勝利だった。
「自分の持ち味を忘れていた時期もあった。今日は、自分の武器をしっかり使えた」
そのように本玉は、勝因を振り返った。自己最高位は105位を記録し、グランドスラム(四大大会)本戦出場も2度。その本玉が昨年11月には、260位までランキングを落としていた。
「テニスそのものは悪くなかったのに、勝ちにつなげられなくて。『こんなに頑張っているのに』と思ったり、『そう思っている時点で、まだ努力が足りないのかな』とか、なんだか考えがグチャグチャになっていて......」
そんなもどかしい日々が、昨年中盤から今年序盤まで続いていたという。
その彼女が踏ん張れたのは、ひとえに、「周囲の人たちのおかげ」だと本玉は笑顔で明言した。コーチの増田健太郎氏をはじめ、身体をケアしてくれたトレーナーや、弱音も聞いてくれた家族や友人――。
増田コーチとも話し合いと練習を重ねる中で、「自分の一番の武器は足。それがなくなったら、私ではなくなっちゃう」と再認識したという。
「もう練習、本当にキツイんですよ。健太郎さん、やばいんですよ」
口元に手を当て声を潜め、彼女は後方のコーチにいたずらっぽい視線を送った。内藤との死闘を勝ち抜けたのも、その厳しい練習の賜物。感情やショット精度にはアップダウンがありつつも、武器の足は最後まで、一切ぶれることはなかった。
「頑張るのは大切だけれど、やっぱり勝てばみんなハッピーじゃないですか。私が崩れそうな時も、チームのみんながお尻を叩いてくれた。そんな人たちのために、自分が勝って恩返しをしたいです」
支えてくれた人たちのためにも、自分の武器である足で、今は一途に勝利を追う。
取材・文●内田暁
【画像】勝利した本玉選手ほか熱戦を繰り広げた選手たちが見られる「安藤証券オープン」公式フォトギャラリ―
【関連記事】勝負強さを見せた坂詰姫野、攻撃テニスで逆転した本玉真唯。全豪オープン予選初戦を突破し両者が2回戦で激突<SMASH>
【関連記事】足のケガを乗り越えた本玉真唯、東レPPO初戦敗退も「やっとスタートできたかな」と再出発を切る<SMASH>
スッと背筋を伸ばしてアゴを上げ、彼女は自分の太ももをピシャリと叩いた。
現在、有明テニスの森で開催中の女子テニス国際大会「安藤証券オープン」(4月21日~26日/東京・有明/W100)。その2回戦で本玉真唯が、内藤祐希に辛勝した後のことである。第1セットを快調に取った本玉は、第2セットも5-1と大きくリード。だがここから内藤の反撃を許し、逆転でセットを奪われる。最終セットも立て続けにブレークを許し、たちまち0-3のビハインド。
その敗戦への流れを断ち切ったのが、コートを縦横に駆けた走力だ。決まったと思われた内藤の強打を、幾度も幾度もラケットの先で引っ掛けるようにして拾う。同時に高低差のある組み立てで、相手の打点をずらしていく。最終スコアは、6-1、6-7(5)、7-5。粘り強さと、本人いわく「最後は気合い!」の勝利だった。
「自分の持ち味を忘れていた時期もあった。今日は、自分の武器をしっかり使えた」
そのように本玉は、勝因を振り返った。自己最高位は105位を記録し、グランドスラム(四大大会)本戦出場も2度。その本玉が昨年11月には、260位までランキングを落としていた。
「テニスそのものは悪くなかったのに、勝ちにつなげられなくて。『こんなに頑張っているのに』と思ったり、『そう思っている時点で、まだ努力が足りないのかな』とか、なんだか考えがグチャグチャになっていて......」
そんなもどかしい日々が、昨年中盤から今年序盤まで続いていたという。
その彼女が踏ん張れたのは、ひとえに、「周囲の人たちのおかげ」だと本玉は笑顔で明言した。コーチの増田健太郎氏をはじめ、身体をケアしてくれたトレーナーや、弱音も聞いてくれた家族や友人――。
増田コーチとも話し合いと練習を重ねる中で、「自分の一番の武器は足。それがなくなったら、私ではなくなっちゃう」と再認識したという。
「もう練習、本当にキツイんですよ。健太郎さん、やばいんですよ」
口元に手を当て声を潜め、彼女は後方のコーチにいたずらっぽい視線を送った。内藤との死闘を勝ち抜けたのも、その厳しい練習の賜物。感情やショット精度にはアップダウンがありつつも、武器の足は最後まで、一切ぶれることはなかった。
「頑張るのは大切だけれど、やっぱり勝てばみんなハッピーじゃないですか。私が崩れそうな時も、チームのみんながお尻を叩いてくれた。そんな人たちのために、自分が勝って恩返しをしたいです」
支えてくれた人たちのためにも、自分の武器である足で、今は一途に勝利を追う。
取材・文●内田暁
【画像】勝利した本玉選手ほか熱戦を繰り広げた選手たちが見られる「安藤証券オープン」公式フォトギャラリ―
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