男女プロテニスツアーで今や広く普及している電子判定は、現在開催中のツアー大会「ムチュア・マドリード・オープン」(スペイン・マドリード/クレーコート/ATP1000・WTA1000)でも採用されている。しかし現地4月26日に行なわれた第2シードのエレーナ・ルバキナ(カザフスタン/現世界ランキング2位)と第32シードのジェン・チンウェン(中国/同36位)による女子シングルス3回戦で、その判定をめぐって物議を醸す場面があった。
この試合は今年1月の全豪オープンで四大大会2勝目を挙げた26歳のルバキナが、2024年パリ五輪で金メダルを獲得した23歳のジェンを4-6、6-4、6-3で下し、2年ぶり3度目のベスト16へ進出。第1セットを奪われ、さらには第2セットでもブレークダウンの厳しい状況に追い込まれたものの巻き返し、2時間21分の接戦の末に逆転勝利を収めた。
問題のシーンが発生したのは第2セット第8ゲームでのことだった。ジェンの深く鋭いサービスがインと判定され、サービスエースが記録されて40-0となった。この判定に対してルバキナは、コート上に付いたボールの跡を指差しながら主審に抗議。しかし通常はシステムに不具合がない限りは、審判団が判定を覆すことは不可能とされており、主審もその旨をルバキナに伝えたとみられている。
勝利後のメディア対応でルバキナはこのシーンに言及し、「私は電子判定を全く信用していない。モニターに映っていた場所を実際に見てみてもボールの跡は付いていなかった」とコメント。さらに彼女は今回の出来事が、昨年のマドリードでアウトだと確信したボールを見送ってインと判定された後、ボールマークを自身のスマートフォンで撮影して警告を受けたアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ/男子現3位)の件と似ていると指摘した。
「主審が座っている場所から見えないはずがない。あのシーンは本当にかなりのフラストレーションを感じたし、ある意味で“盗まれたポイント”だったと思う。彼女(ジェン)がとても良いサービスを打っていたのは理解しているけど、あの判定は本当に腹立たしかった」
ちなみにマドリードでは20年に電子判定が初導入され、線審は完全に廃止。現在は他の男女ツアー大会でも同様の流れが加速しており、線審による判定が残されている主要大会は、クレーコートの四大大会である全仏オープンなどごく一部に限られている。
しかし既報の通り電子判定の導入には、マリン・チリッチ(クロアチア/男子現51位)やベリンダ・ベンチッチ(スイス/女子現12位)ら長年線審のいる環境で戦ってきたトップ選手に加え、ベン・シェルトン(アメリカ/男子現6位)やエマ・ラドゥカヌ(イギリス/女子現27位)など若い世代からも否定的な声が多く上がっている。今回のルバキナの発言も、その流れを象徴する一例と言えるだろう。
文●中村光佑
【動画】電子判定に不満をあらわにしたルバキナが主審に抗議するシーン
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この試合は今年1月の全豪オープンで四大大会2勝目を挙げた26歳のルバキナが、2024年パリ五輪で金メダルを獲得した23歳のジェンを4-6、6-4、6-3で下し、2年ぶり3度目のベスト16へ進出。第1セットを奪われ、さらには第2セットでもブレークダウンの厳しい状況に追い込まれたものの巻き返し、2時間21分の接戦の末に逆転勝利を収めた。
問題のシーンが発生したのは第2セット第8ゲームでのことだった。ジェンの深く鋭いサービスがインと判定され、サービスエースが記録されて40-0となった。この判定に対してルバキナは、コート上に付いたボールの跡を指差しながら主審に抗議。しかし通常はシステムに不具合がない限りは、審判団が判定を覆すことは不可能とされており、主審もその旨をルバキナに伝えたとみられている。
勝利後のメディア対応でルバキナはこのシーンに言及し、「私は電子判定を全く信用していない。モニターに映っていた場所を実際に見てみてもボールの跡は付いていなかった」とコメント。さらに彼女は今回の出来事が、昨年のマドリードでアウトだと確信したボールを見送ってインと判定された後、ボールマークを自身のスマートフォンで撮影して警告を受けたアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ/男子現3位)の件と似ていると指摘した。
「主審が座っている場所から見えないはずがない。あのシーンは本当にかなりのフラストレーションを感じたし、ある意味で“盗まれたポイント”だったと思う。彼女(ジェン)がとても良いサービスを打っていたのは理解しているけど、あの判定は本当に腹立たしかった」
ちなみにマドリードでは20年に電子判定が初導入され、線審は完全に廃止。現在は他の男女ツアー大会でも同様の流れが加速しており、線審による判定が残されている主要大会は、クレーコートの四大大会である全仏オープンなどごく一部に限られている。
しかし既報の通り電子判定の導入には、マリン・チリッチ(クロアチア/男子現51位)やベリンダ・ベンチッチ(スイス/女子現12位)ら長年線審のいる環境で戦ってきたトップ選手に加え、ベン・シェルトン(アメリカ/男子現6位)やエマ・ラドゥカヌ(イギリス/女子現27位)など若い世代からも否定的な声が多く上がっている。今回のルバキナの発言も、その流れを象徴する一例と言えるだろう。
文●中村光佑
【動画】電子判定に不満をあらわにしたルバキナが主審に抗議するシーン
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