海外テニス

土居美咲、全米テニスで1回戦敗退。元準優勝者のキーズに振り切られる

内田暁

2019.08.26

途中までは食い下がったが敗れた土居。写真:山崎賢人(スマッシュ写真部)

全米オープン女子シングルス1回戦 8月26日(現地時間)
土居美咲(JPN)5-7 0-6 M・キーズ(USA)


 7月にスウェーデンの125K大会で優勝し、ランキングを大きくジャンプアップさせてつかみ取った、今回の全米本戦ダイレクトインの座。ここで勝って、さらなるポイントの上積みを狙いたいところだが、初戦の相手は一昨年準優勝者のマディソン・キーズ。早々に、厳しい挑戦を強いられた。

 そのキーズ相手に立ち上がりの土居は、サウスポーの特性を利したサービスと、得意のフォアで互角の戦いを見せる。ブレークを奪い合う序盤の攻防の後は、互いにゲームをキープする並走状態に。ただ5-6からのサービスゲームで、ダブルフォールトも絡みブレークされたのを機に、試合の趨勢は一気にキーズ優勢へと流れ込んだ。「リラックスした時は、誰にも手をつけられないプレーをする」と土居も評するキーズは、男子選手よりも速いと謳われるストロークを、のびのびと打ち込んでくる。手のつけられないモードに入ってしまったキーズを、止める術はもはやなかった。
 試合後、「もっと楽な相手と当たりたかったのでは」との問いに対し、土居は「もちろんありますが……」と否定はせずとも、毅然と続けた。
「ドローではよくあることだし、いずれにしろ、1回戦だろうがその先だろうが、自分が上に行くためには勝たなくてはいけない相手」

 土居は昨年大きくランキングを落としたところから、今季は4大大会のうち3大会に出場するまでに、プレーも自信も取り戻してきた。とはいえ、この場に戻ってきたことに喜びを覚える段階は、もうとっくに過ぎた模様。

「コートに立つ以上は勝ちを求めている。この世界で戦っている以上ランキングには左右されるが、こういう舞台で勝てる実力をまずはつけることを考えたい」と、視線を前に向けていた。

取材・文●内田暁