新型コロナウイルスの猛烈な蔓延を受け、世界各地で市民が自宅隔離を余儀なくされている。そんな中、女子テニス界でグランドスラム5度の優勝を挙げ、今年2月に現役を引退した元世界ランク1位のマリア・シャラポワが、人々を孤独から守ろうと自身のSNS上で電話番号を公開した。

　シャラポワは、自身のツイッター上で867万人を超えるフォロワーに、「私にテキストメッセージを送って！」と呼びかけた後、電話番号を公開。「（番号は）本物よ！どんな風に過ごしているのか私に教えてくれたり、私への質問でもいいわ。ただハロー！だけでも構わないの。料理のレシピも大歓迎よ！」と語りかけた。

　このツイートの前週にファンと公開チャットを実施していたシャラポワ。インスタグラムにアップした自撮り動画では、「みなさん全員と繋がる方法を考えていたの。先週（3月26日）、150人のファンが参加して楽しいQ＆Aビデオチャットをしたわ。そして、もっと何かしたい、もっと繋がれることをしたいと思った。そう考えた大きな理由は、今、私たち全員が（自宅隔離のため）離ればなれの状況に置かれているからなの」とコメント。

　孤立してしまいがちな状況下にある人々に寄り添うために、この驚きのキャンペーンを思いついたと言う。シャラポワは、「メッセージを送って、そして、返事を待っていてね」と美しい笑顔で呼びかけて動画を締めくくっている。
  　シャラポワのツイートは、4月6日現在で動画の再生回数は220万超え、3500件以上のコメントには、「君は最高に美しいテニスプレーヤーだよ！」、「素晴らしい！人としても美しいな」、「ワォ、これはすごいアイデア、僕はさっきメッセージを送ったよ」と多くのフォロワーが称賛の言葉を投稿。インスタグラムの動画も再生回数63万回に到達している。

　人との繋がりを持ち続けることで新型コロナウイルスにより社会に広がる不安を少しでも解消しようと考えたシャラポワ、その行動は世界各国の複数メディアでも報道され、大反響を呼んでいる。

　現在のところ、シャラポワの電話番号に直接メッセージを送ることが可能なのは、米国とカナダの在住者のみ。他国に住む多くのファンからは、「メッセージを送れません、、、」「シャラポワさん、Whatｓappをインストールして！それならメッセージが送れるのに、、、」「ポーランドからはどうすれば送れるの？」「同じくブラジルからは？」との声が。これに対してシャラポワは、「技術的な問題で、今はメッセージのやり取りができる国が限られているの。けれど、他国のみなさんと繋がることができるように、近いうちに別の方法を実現するわ」と約束している。

　シャラポワに続き同じく女子テニス界から、2017年に母国開催の全米オープンで優勝を飾ったスローン・スティーブンスも、人々を元気づけようと自身のSNSで電話番号を公開。スポーツ界から発信する支援の輪が、より一層広がっていくことを祈りたい。

構成●THE DIGEST編集部

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