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海外テニス

データが語るフェデラーとジョコビッチの意外な共通点。ショート/ロングラリーで強いのはどちら?

スマッシュ編集部

2020.04.14

プレースタイルでは大きな違いがあるように思えるが、データで見ると共通点の多い2人。(C)GettyImage

プレースタイルでは大きな違いがあるように思えるが、データで見ると共通点の多い2人。(C)GettyImage

 テニスの四大大会で史上最多20勝を誇るロジャー・フェデラーと、その6歳下ながら同じく17勝で迫るノバク・ジョコビッチ。どちらも、いまもなおツアーの頂点に君臨する“生ける伝説”だが、そのプレースタイルはまったくもって対照的だ。フェデラーといえば、素早く仕掛ける華麗な攻撃が最大の魅力だろうし、ジョコビッチは、粘り強い守備と正確なストロークで相手をじりじり追い詰めるところに凄みがある。

 では、2人のポイント獲得率をラリーの長さ別に比べたら?あなたはどんな結果を予想するだろう。イメージに従えば、フェデラーの強さが発揮されるのはショートラリーで、ジョコビッチが輝くのはロングラリー、きっとミドルでは拮抗しているのでは……と考える方が多いのではないだろうか。

 ところが、実際に集計するとこの予想は大きく裏切られる。ATP公式サイトがそのデータとともに分析コラムで報じた。使用されたデータは、2018年から2020年のATPツアー大会での試合(ホークアイ設備あり)から取ったものだ。

 このコラムによると、
ショートラリー(0~4回)でのポイント獲得率は、
フェデラー=53.75%(4,816/8,960)
ジョコビッチ=53.54%(4,382/8,184)
差は0.21%ポイント

 一方、ロングラリー(9回以上)では、
ジョコビッチ=54.63%(1,404/2,570)
フェデラー=54.53%(806/1,478)
差は0.10%ポイント
 
 確かに、ショートラリーならフェデラーの方が、ロングラリーならジョコビッチの方が高確率という点は想像通りである。しかし、ショートラリーでの差は、わずか0.21%ポイントであり、ロングラリーに至っては0.10%ポイントと、ほぼ同等だ。

 では、ミドルラリーはというと、実はこれがもっとも差が開く結果となった。
ジョコビッチ=55.51%(2,086/3,758)
フェデラー=53.27%(1,840/3,454)
差は2.24%ポイント

 とはいえ、このカテゴリーのトップだったナダルの59.71%(1304/2184)と比べれば、2人の差は大きいとは言えない。それに対して、短いラリーでも長いラリーでも、2人のデータは信じられないほど似ている。つまり、ジョコビッチはフェデラーと同じようにショートラリーに強く、フェデラーはジョコビッチと同じようにロングラリーに強いのだ。

 意外な結果に驚く人も多いのではないだろうか?ちなみに、ショートラリーでのポイント獲得率は、メドベージェフが54.98%(5248/9546)でトップ、ミドルラリーではナダルが59.71%(1304/2184)で他を圧倒、そしてロングラリーでは、日本の西岡良仁がトップの56.57%(784/1386)を叩き出している。

構成●スマッシュ編集部

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