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ベテランテニスで勝つための必須ショット/スライスを学ぶ【テニスレッスン】

スマッシュ編集部

2020.05.28

バックハンドスライスは省エネショットの代表格。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

バックハンドスライスは省エネショットの代表格。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

 体力や筋力が落ちてきたベテラン層が、若い頃のようにスピンドライブで強打し続けるのは無理がある。では、テニスをどう変えていったらいいのか。ベテランに適したショットの打ち方を、長く現役として活躍した佐藤博康プロに教えてもらった。

 年齢が上がると筋力が落ち、ボールの威力はあまり出せなくなり、動きも鈍ってくる。つまり、球威に頼らない方法で、相手を動かすことができれば、二重の意味で優位に立てる。そこで、必須ショットと言えるのが、バックハンドスライスだ。

「筋力に頼らなくても打てる省エネショットで、フラットやスピンに混ぜて使えば、相手に違う高さやペースで打たせてミスを誘えます。さらに同じスライスでも、バリエーションを付けられると一層効果的です」

 ベテランは2種類のスライスをマスターしておこう。1つ目は、「相手コート深くに送って、時間を作るスライス」だ。ペースを変えるのはもちろん、追い込まれて体勢を立て直したい時などにも重宝する。

「コツは、テイクバック時に後ろ足に体重を乗せて軸を作り、スイングに伴って前足へ軸を乗せ換える『2軸』で打つこと。その上でフォロースルーを長く取れば、ボールを運びやすくなり、深いスライスが打てます」
 
 もう1つはパンチ系のスライスだ。

「上から下へ切り下ろすのではなく、ボールの真後ろを厚く捉えます。時間を作るスライスとは違い、瞬間的に球威を出したい時に使用しましょう。例えばサービスリターンや、相手の強打をブロックしたい時、トップスピンや振り幅の大きいスライスでは間に合いません。そこで、コンパクトに厚く面をぶつければ、相手ボールの勢いを利用してパンチを効かせることができます」

 パンチ系スライスの打ち方は、「フラットに近い打ち方ですが、ボールに少し逆回転をかけることで球筋も安定します。フォロースルーは惰性に任せ、大きく振り切らないようにしましょう」。

 2つのバックハンドスライスをマスターし、自分は省エネしながら相手を動かす戦略で、主導権を握ろう。

解説=佐藤博康(REAL H)
1972年生まれ。キレのあるサーブ&ボレーと緻密なタッチを備え、全日本選手権の男子ダブルスを2度制覇。戦術にも優れ、44歳まで現役プロとして活躍した。フューチャーズ複7勝、JTAランキング複最高2位をマーク。引退後は数多くのトップジュニアやプロレベルの選手を指導。JTA公認S級エリートコーチ。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2019年7月号から抜粋・再編集

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