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海外テニス

黒人死亡事件を受け、16歳のガウフが抗議のスピーチ「未来のために戦う」「今、変えなければいけない」

東真奈美

2020.06.05

今年の全豪では4回戦に進出た16歳のガウフ。プレーだけなく存在感も抜群だ。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

今年の全豪では4回戦に進出た16歳のガウフ。プレーだけなく存在感も抜群だ。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 日本でも連日報道されている前代未聞の抗議活動 “Black Live Matter(ブラックライブマター)ムーブメント”。先月末、ミネアポリスで、アフリカ系男性ジョージ・フロイド氏が警察官に首を圧迫されて亡くなったことが今回の発端だが、女子プロテニス選手のコリ(愛称はココ)・ガウフも、フロリダ州デルレイビーチでのデモに参加し、ブラックライブマター抗議活動を支持する声を挙げた。

 まるで表彰台に上がるチャンピオンのように堂々とスピーチ台に向かい、「自分の祖母が50年以上前にしたのと同じことに抗議するのは、悲しいこと」と、スピーチを始めた。

「まず、第1に伝えたいのは、“お互いを愛さなければいけない”ということです。黒人ではない友人に、この活動にどのように参加、協力してもらえるのかを理解してもらうために、1週間以上難しい対話してきました。

 第2に伝えたいのは、“アクションを起こす必要”があること。私自身は投票できる年齢ではありませんが、私の未来、私の弟の未来、そしてあなたの未来のための1票は、あなたの手の中にあります。
 
 3つ目は、大きくても小さくても、“自分の声で発言する”ことです。キング(マーティン・ルーサー・キング)牧師の言葉を借りると、“最大の悲劇は、悪人の圧制や残酷さではなく、善人の沈黙である” のです。だから、沈黙しないでください。沈黙を選ぶことは、抑圧者側を選ぶのと同じです。

“(黒人問題は)自分とは関係ない”という声が、実際よく聞こえてきました。ブラックミュージックを聴いたことはないですか? 黒人の文化に親しんだことは? 黒人の友人は? そうです、これはあなたたちの戦いでもあるのです」

 そして最後にガウフは、今回のような悲劇が、実は何年にもわたって何度も繰り返されていることを聴衆に思い出させた。

「これは、ジョージ・フロイドだけの問題ではありません。トレイボン・マーティン、エリック・ガーナーの問題と変わりありません。同じ問題が、現在もなお続いているのです。トレイボン・マーティンが亡くなった時、私は8歳でした。16歳の私が、なぜ、ここでまだ変化を要求しているのでしょうか?  

 私の兄弟の未来のために戦います。将来の私の子どもたちの未来のために戦います。将来の私の孫の未来のために戦います。今、変えなければいけないのです」
 

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