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錦織圭は"どちらもいける"歴代最強、3セットのデータ。第1セットと第2セットどちらを取ったほうが勝ちやすい?

スマッシュ編集部

2020.07.01

データによると第2セットを奪った後のファイナルセットにおいて、錦織は歴代最強だという。(C)Getty Images

 テニスの男子ツアーでファイナルセット最強、といえばなんといっても錦織圭。キャリア通算の最終セット勝率では、現在もロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチらビッグ3を上回る74.9%を誇る。重圧下での錦織の強さを示す、最もよく知られたデータの1つだが、これとはまた別の角度から錦織の強さの特徴を浮き彫りにする数値をATP公式サイトが紹介している。試合の"流れ"に着目したデータである。

 3セットマッチの最終セットに入った場合、第1セットを取った選手と、第2セットを取った選手とでは、どちらの勝率が高いだろうか? 

 データを取り始めた1991年以降、両パターンとも50回以上プレーした166人の選手が対象とした統計によると、前者は52.1%(6870/13182)、後者は57.2% (7844/13708)と、第2セットを取った選手のほうが高いことがわかっている。これは恐らく、多くの人の予想通りだろう。第2セットを奪取した勢いのまま最終セットに入る方が有利なのだ。

 そして、この試合展開(第1セット敗、第2セット勝)で最も高い勝率(キャリア通算)を叩き出しているのが錦織だという。その勝率は実に76.5%。以下のトップ10リストにあるように、75%超えは錦織だけだ。
 
第2セット奪取→試合勝利
1:錦織圭           76.5%(65/85)
2:ラファエル・ナダル     74.3%(75/101)
3:ステファン・エドバーグ   72.0%(36/50)
4:レイトン・ヒューイット   71.3%(87/122)
5:ピート・サンプラス     71.3%(62/87)
6:アンディ・マリー      71.2%(74/104)
7:ノバク・ジョコビッチ    71.0%(76/107)
8:エフゲニー・カフェルニコフ 70.4%(88/126)
9:アンディ・ロディック    70.1%(54/77)
10:ステファン・コーベック   70%(35/50)

 では逆のパターン、第1セットを奪取した後、第2セットを落として最終セットに入った場合はどうか? 錦織はこの展開でも69.2%と、全体で4位につける勝率をあげている。

第1セット奪取→試合勝利
1:ノバク・ジョコビッチ      76.0%(73/96)
2:トーマス・ムスター        73.1%(57/78)
3:ホアン・マルティン・デルポトロ 70.5%(43/61)
4:錦織圭             69.2%(45/65)
5:アンディ・マリー        67.4%(60/89)
6:アンディ・ロディック      67.0%(61/91)
7:ロジャー・フェデラー      66.7%(110/165)
8:ピート・サンプラス       66.7%(62/93)
9:マイケル・チャン        65.1%(69/106)
10:トミー・ハース         64.2%(77/120)

 例えば、元世界4位のジェームズ・ブレークは、第2セット奪取→試合勝利は56.9%、対して第1セット奪取→試合勝利は45.8%と大幅ダウンだが、ホアン・モナコは第2セット奪取→試合勝利は45.3%、対して第1セット奪取→試合勝利は57.3%と大幅アップ。つまり、第2セットを取った勢いを最終セットに持ち込むタイプや、第2セットを落とした反撃に成功するタイプがいるなか、錦織は、第2セットの結果に左右されず最終セットで同じようなパフォーマンスができるタイプと言えるだろう。あくまで3セットマッチのみが対象のデータだが、"ファイナルセット最強"の一面はよく見える。

構成●スマッシュ編集部

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