海外テニス

「あまりにも不安な要素が多すぎる」全米直後のマドリード・オープンが中止決定

中村光佑

2020.08.05

昨年大会ではジョコビッチがチチパスを下して優勝。(C)Getty Images

 またしてもテニス界に残念なニュースが飛び込んできた。全米直後の9月13日から開催予定だったマドリード・オープン(スペイン・マドリード)がスペイン国内でのコロナウイルス感染拡大により正式に中止されることになった。

 大会側の正式発表では、「コロナウイルスによる多大な影響を考えれば、日程を延期したとしても、今年度の大会は開催できない」と述べられている。当局の保健所からの勧告や、ここ数か月間の状況の変化を考慮した上で、中止せざるを得ないという結論に至ったようだ。

 この決定を受け、大会コーディネーターを務めるフェリシアーノ・ロペス(スペイン)は、「我々は大会を開催するために全力を尽くしてきた。(すべての大会関係者やプレーヤーにとって)厳しい状況ではあったが、9月にはカハ・マヒカ(マドリード・オープンの会場)でトップレベルのテニスをファンに見せたいという想いを胸に、開催に向けて取り組んできた」とコメント。
 
 一方で、「たとえあらゆる保証があったとしても、あまりにも不安な要素が多すぎる。ただ、そんな中でも大会の開催を一生懸命サポートしてくれた方々に心から感謝の気持ちを示したい」と胸の内を語った。

 今月からテニスツアーは再開されるものの、すでに多くの大会で中止の動きが広がっていることは事実だ。楽天オープン(日本・東京)が中止され、男子ツアー再開の先駆けとなる予定だったシティ・オープン(アメリカ・ワシントン)も中止が決定された。さらに、中国で開催予定だった多くの大会も、年内は開催しないことを発表している。

 現段階では全仏オープン(フランス・パリ)は予定通り9月27日~10月11日の日程で開催される予定である。しかし、今回マドリード・オープンの中止がその他の大会に何らかの影響を与える可能性は大いにあるだろう。

文●中村光佑

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