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「それでもグランドスラム」欠場者続出で“価値が薄い”と指摘を受ける全米オープンについて、不参加のナダルが言及

Hustle

2020.08.12

昨年大会王者のナダル。今年の全米はディフェンディングチャンピオン不在で開催される。(C)Getty Images

 新型コロナウイルスの猛威を前にして、全米オープンへの出場を断念するトップ選手が続出している。

 現在、男子では世界ランク2位のラファエル・ナダルをはじめ、同4位のロジャー・フェデラー(右ヒザのケガのため)、同9位のガエル・モンフィス、同17位のスタン・ワウリンカなどが欠場を発表。女子でも同1位のアシュリー・バーティをはじめとした多くの選手が、感染のリスクを恐れて渡米しないことを決めた。

 これにより、例年と比べると少々盛り上がりに欠ける大会になってしまうかもしれない。グランドスラムとしての威厳が失われるという声もあるが、欠場する選手のひとりであるナダルは、そのようには考えていないようだ。『ロイター通信』によれば、彼は今年の全米オープンについて「まだまだビッグトーナメントさ。なんといってもグランドスラムなんだから」と話しているという。
 
「僕は、自分が出場しないからといって、その大会の価値が薄いなんて言うような傲慢な人間じゃない。確かに特別な状況下ではあるけれど、それでもグランドスラムはグランドスラム。優勝者は間違いなくグランドスラムチャンピオンだ」。昨年の同大会王者であるナダルは、スペインからのテレビ会議で記者団にそう語った。

 さらにナダルは、難しい状況下での大会開催と、それを希望する選手が多くいることについても言及。「個人的には、ツアーを復活させるためにUSTA(全米テニス協会)とATP(男子プロテニス協会)が行なっている前向きな取り組みを尊重するよ。それに、金銭的な問題から、プレーの機会を求める選手がたくさんいることも理解している」と、運営側、選手側双方への理解を示した。

 全米オープン後、欧州クレーコートツアーの参戦を予定しているナダルだが、先日『マドリード・オープン』が中止となったことを受けて、「正直なところ、スケジュールは確定していない」と明かす。ただし、いつでも参戦できるように準備は整えているようだ。今年も、史上最強のクレーコーターが、赤土の上で躍動する姿が見られることを期待したい。

文●Hustle

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