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海外テニス

ンガリゴ族の血を引く世界1位のバーティーが、テニスを通じて先住民問題に取り組む

誉田優

2020.08.13

アボリジニの女性がテニスで世界1位になったのは、1976年のイボンヌ・グーラゴングさん以来。バーティーは、現代のオーストラリア先住民の象徴的存在だ。(C)GettyImages

アボリジニの女性がテニスで世界1位になったのは、1976年のイボンヌ・グーラゴングさん以来。バーティーは、現代のオーストラリア先住民の象徴的存在だ。(C)GettyImages

 先日、全米オープンの欠場を発表した女子テニス世界1位のアシュリー・バーティー。彼女は、この決断により生まれた空き時間を利用して、母国オーストラリアの社会問題に手を差し伸べているようだ。

 現在、オーストラリアには様々な先住民コミュニティーが存在しているが、その多くが健康水準や教育水準の格差、雇用率などの問題を抱えているという。そしてバーティー自身も、オーストラリアの先住民族ひとつ『ンガリゴ族』の血を引いている。

 そのことから、テニス・オーストラリアの『先住民テニス・アンバサダー』という役割を担うバーティーだが、活動の一環として、クイーンズランド州の先住民テニスプレーヤーの子どもたちとテニスを通じた交流を行なったという。その際の様子を、テニス・オーストラリアの公式サイトが紹介した。
 
「いろいろな年代の子どもたちに、何歳であっても成長できるということ、スポーツが人と人との繋がりを生むということを学ぶ機会が与えられるのは、本当に特別なことです」と話すバーティーは、子どもたちとのラリーを楽しんだ後、彼らとのトークセッションを設けた。

 テニス・オーストラリアは先日、先住民族のテニス教育のために11万5000豪ドルを出資すると発表。バーティーはこれについて「大きな足がかりになるはず。テニスだけじゃなく、教育や経験、様々なチャンスを見出すための道しるべになる」と希望を覗かせた。

 Ⅱ型糖尿病や、心臓病といった疾病が増加しているというオーストラリアの先住民族だが、これらの発症率には、日常的な運動が大きな違いを生むことは広く知られている。バーティーやテニス・オーストラリアの、テニスをベースとした取り組みが、彼らの生活に良い影響を与えることを期待したい。

文●誉田優
フリーライター。早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter:yu__honda/Instagram:yu__honda

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