国内テニス

コロナ禍での経済的な救済措置など、ATP200位台の守屋宏紀がテニス界から受けたサポートとは?

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2020.08.18

守屋はツアー中断の間、自分のテニスを分析し見つめなおす時間にあてていた。写真:田中研治

 新型コロナウイルスの影響で大会が開催されなくなってから、プロテニス選手たちも先の予定を立てることができずに苦労してきた。そんな中で、男子プロテニス協会(ATP)はどのように選手をサポートしてきたのか。ATP235位の守屋宏紀(北日本物産)に聞いた。

「5月に(プレーヤー救済プログラムから)1回目の(救済金の)配布がありました。僕は4000ドル(約43万円)ぐらいでした。2回目は8月で同じぐらいの額でした。早い段階で救済措置の動きがあり、実際に手元に届くまでも長い時間がかかりませんでした。ありがたいです」と言う。

 主に101位から500位の選手に対して支払われ、金額はランキングや前年度の獲得賞金によって変わってくる。配布までの過程は、ATPからメールで、最初におおよその金額の連絡があり、最終的な金額の通知が来てから振り込まれた。選手は大会の賞金を受け取る口座をATPに登録しているため、振り込みはスムーズに行なわれたようだ。

 この他にウインブルドンと全米オープンも選手への救済金を準備しているため、追加される予定だ。選手からの要望もあったとは思うが、テニス界全体で、経済サポートに尽力している様子がうかがえる。
 
 ATPはこの中断期間に選手からの意見を聞く機会を設けている。1回目のオンラインミーティングは、全米オープンの開催か否かを決める少し前に行なわれた。400名ほどの選手が集まり、「それぞれ言いたいことを言い合って、最後までまとまらないぐらいだった」とその時の様子を明かしてくれた。

 次は改善されて、ランキング別でのミーティングが実施された。守屋は200~300位の選手ミーティングに参加。全米オープンで予選が行なわれないことや、代わりにチャレンジャーの大会を開いてくれるのかなど、同じぐらいのランキングの選手が直面する点についての質問があったという。どういう結末になるにしろ、「話を聞いてくれたり、意見交換できる場があったのは良かったと思います」と、この動きに対して好意的だ。

 しかし、他の選手によると、決定事項をウェブサイトで知るということもあるようだ。課題点はあるものの、初めての状況でも前向きに取り組んでいる姿勢は評価できる。

取材・文●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)、取材協力●㈱ゴールドウイン/エレッセ

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