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レッスン

体重移動とラケットの担ぎ方を変えてパワーアップしたガスケ【サービスフォームの変遷|最終回】

スマッシュ編集部

2020.09.19

左/2017年は、ラケット面が下を向いている状態を長く保っている。右/2010年はラケットがほとんど立っている。写真:THE DIGEST写真部

左/2017年は、ラケット面が下を向いている状態を長く保っている。右/2010年はラケットがほとんど立っている。写真:THE DIGEST写真部

 テニスのショットの中でも、サービスのフォームは難易度が高い。実はプロでさえ、改良しながら自分に合うフォームを探求しているのだ。プロがどのようにフォームを変えて効果を上げたのか、史上最年少で全日本選手権を制した谷澤英彦氏に解説してもらった。プロの変更点を参考にして自分に適したより良いサービスフォームを手に入れよう。

 最終回はリシャール・ガスケで、2010年と2017年を比較した。ガスケは幼少期から天才少年として注目を集め、07年にはキャリアハイとなる7位をマーク。しかし、10年には、86位にまでランキングを下げている。そこから13年には9位にまで復活。その後、何度か9位につけて、ツアーのトップ選手の地位を守ってきた。

 彼のサービスには大きな変更はないものの、細部を見ていけば変わった点が見えてくる。谷澤氏に解説してもらおう。

「構えの段階で、10年では足裏が地面に着いており、重心が両足にほぼ均等に乗っていました。17年では左足のつま先が上がっているため、後ろ足重心でスタートしていることがわかります。後ろ足に重心がある状態から、前足に体重移動をし、ジャンプにつなげているため、より前に入っていく体重移動を使えており、ボールに勢いを伝えられていることがわかります。

 選手によっては、構えで前足に重心を乗せておき、1度後ろ足に移してから、前に再び体重移動をするタイプもいます。この体重移動も自分に合うスタイルを見つけておきましょう」
 
 体重移動の変化とともに、トロフィーポーズまでのラケットの動きにも違いが見られた。

「10年の時は早い段階でラケットが立ち、ラケットダウンする時は面が上を向いて身体から離れた場所にありました。

 17年ではヒジを高い位置に保ちながら下向きのラケット面を長い時間保てており、ラケットダウンでも面が身体の方を向いて、力が逃げることなく十分に貯められる状態を作っています。構えの段階でラケットを高い位置にセットしているのも、この動きを生み出したいという考えからだと推測できます」
 

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