海外テニス

「すごくよくなってきている」錦織圭が復調に自信。次戦のヨーロピアン・オープンへ意気込みを明かす

中村光佑

2020.09.21

復帰2大会目は早期敗退となったが、随所で素晴らしいプレーが見られた錦織。(C)Getty Images

 男子テニスATP500大会の『ヨーロピアン・オープン(ドイツ/ハンブルク、ATP500)』に出場予定の錦織圭が、現地20日の会見に登場し、記者からの様々な質問に答えた。

 ヨーロピアン・オープンは今大会が初出場となる錦織。ハンブルクの印象について聞かれると、「大きな都市だと思うけど、でも実際はまだよくわからない。美しい街で美しい湖があると聞いたけど、(感染対策で)外出ができないから、ちょっとそれが残念かな」と嘆きつつも、「コートは広いし、スタジアム自体も大きい。この素晴らしい場所で1週間楽しくプレーをしたい。大きな大会だから結果を残せればうれしい」と語った。

 ツアー復帰後2大会目となった前週のイタリア国際で、約1年ぶりの勝利を挙げた錦織。2回戦では地元の若手選手に敗れたが、現在の心境について「イタリア国際で1勝できて、プレーの感覚も徐々に良くなってきている」と前向きだ。

 それでも、「今年はまず目の前の試合を1つひとつ戦っていくことが重要だと思うし、100%に(プレーを)戻すにはまだ時間がかかる。何事もじっくり積み重ねていけたらいい。今年は特に何も(自分には)期待していない」と焦りはない様子だ。懸念されるヒジの状態に関しては、「まだ少し違和感はあるが、すごく良くなってきている」と調子が上向きであることも明かした。
 
 会見では、新コーチのマックス・ミルニー氏と強化に取り組む、ネットプレーについての質問も飛んだ。これについて錦織は「(成功はしてはいるけど)もう少しネットには出たい。先週は正直ネットプレーをやりすぎたかなとは思っているけど、クレーでも前に出られることがわかったし、今は(ネットプレーに)自信が出てきている」と語る。

 また、ミルニー氏については「素晴らしいコーチだし、ネットプレーについても豊富な知識を持っている。教えてもらったことを生かして、もっとネットプレーを活用したい」と、順調な関係性を築いているようだ。

 錦織は1回戦で世界ランク21位のクリスチャン・ガリン(チリ)と対戦する。「ハードでもクレーでもいいプレーができる選手。今年の初めにタイトルを獲得したことも知っている。バックハンドもサービスもいいものを持っていると思う」と高く評価しつつ、「とにかく全力を尽くしたい」と意気込んでいる。

 復帰後3戦目の今大会は、全仏オープンの前哨戦であるだけに、1つでも多く勝利を重ねて調子を上げていきたいところだ。さらなる自信を得るためにも、初戦は非常に重要となるだろう。

文●中村光佑

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