海外テニス

自身を“現実主義者”と語るマリー。コート内外での性格のギャップを自己分析

中村光佑

2020.10.19

股関節のケガから完全復活を目指すマリー。(C)Getty Images

 長年故障を抱えていた股関節の手術から見事に復活を果たし、再びテニスコートに戻ってきた元世界1位のアンディ・マリー(イギリス)が、英メディア『ガーディアン』紙のインタビューに答え、コート上では決して見せることのない性格や、ベテランプレーヤーとしての抱負などを赤裸々に語っている。

 コート上では、怒りの感情を前面に出してプレーすることが多いマリー。見ている側は、彼に対して少し気難しそうな印象を持つこともあるだろう。それは本人も自覚しているようで、「テレビで見ている多くの人は、僕は気が強くて、いつも不機嫌だと思ってしまうみたいだね」と話す。

 しかし、ひとたびコートを離れると、彼の印象はがらりと変わるようだ。「コート外では非常にのんびりしているし、決して気性も荒くはない」というマリーは、「(普段は)物を壊したり壁に叩きつけたりしない。もちろん叫んだりもしないよ」と、彼らしいジョークを交えながら明かした。
 
 それでも「コートに入るとそれ(叫んだり気性が荒くなったり)をしてしまう」と認める。その理由について「僕は与えられた状況について、現実には何が起こっているのかをしっかりと考えたいタイプだ。物事を過度にポジティブに考えたり、反対に過度にネガティブに考えたりすることはない」と自己分析し、自らを「(典型的な)現実主義者」と表現した。

 今年の5月には33歳を迎え、すでにベテランの域に差し掛かっているマリー。現在の心境について、「年を重ねるにつれて、プレーを続けられる時間は少なくなっていく。若い時をもう少し長く過ごして、ツアーで訪れた素晴らしい街を満喫していればよかったと思う」と後悔しつつも、「僕が一番好きなのはテニスをプレーすることだから、いつまでも(心身ともに)若くありたいと思っているよ」と前向きに語った。

 また彼は最近、『ビッグ4で最初に引退するは誰か?』との質問を受けることが多いという。これについては「(ロジャー)フェデラーだろうね。彼はもう39歳だから」と自身の考えを明かすが、同時に「誰にもわらないよ」とも。「例えば、僕の股関節にまた何かあったら、その時はもうどうすることもできない」と、自身を例に挙げながら、まだまだ不確定な要素が多いと話した。

文●中村光佑

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