海外テニス

ジョコビッチが78分で初戦を制し大会“V6”に向けて好スタート!【ATPファイナルズ】

中村光佑

2020.11.17

時間とともに本来のペースを取り戻したジョコビッチが、納得の内容で相手をねじ伏せ初戦を飾った。(C)Getty Images

 男子テニスツアー最終戦『Nitto ATPファイナルズ』(11月15日~22日/イギリス・ロンドン/屋内ハード)は、ラウンドロビングループ「Tokyo 1970」の第1戦が行なわれ、世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が登場。同9位のディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)を6-3、6-2で下し、初戦を勝利で飾った。

 試合開始から両者激しいストローク戦を展開し、第1セットはシュワルツマンが先にブレークしたが、すぐにジョコビッチが反撃。その後はシュワルツマンを左右に揺さぶり、第1セットを奪取した。第2セットに入ってもジョコビッチの勢いは衰えず、尻上がりに調子を上げてシュワルツマンを圧倒。大会6度目の優勝に向けて好スタートを切った。

 試合後のインタビューでジョコビッチは、「試合の初めの方はあまりプレーが良くなかった。第1セットの第3ゲームで彼(シュワルツマン)に先にブレークされたけど、何とか次のゲームでブレークできた」と苦戦を強いられたことを明かした。

 それでも終わってみれば1時間18分と短時間で完勝したジョコビッチ。「第2セットに入ってからは多少迷いがなくなって、うまくコーナーに打ち分けることができた。第2セットであれだけいいプレーができたことは素直にうれしい」と語り、自身のプレーに満足していたようだ。
 
 一方のシュワルツマンは、「ノバク(ジョコビッチ)と対戦する時は何もかもが難しく感じる。彼がベストのテニスをしている時は本当に、どこのポイントでも全てのボールを拾われているように思う」と脱帽しきりだった。また、「彼がどのようにポイントを奪ってくるのか、また何をしてくるのかを予測しながらいいポイントを作ろうとするのは本当に難しいんだ。彼はボールを自在に操るチャンスがある時は、本当に信じられない才能を発揮する」と素直に勝者を讃えていた。

 勝ったジョコビッチは最終戦の初戦で12連勝を達成。10月末のウィーン大会では、準々決勝で大敗を喫していただけにその状態が心配されていたが、王者の意地を見せ、幸先よく勝利を収めた。まずは準決勝進出へ向け、安定したプレーを維持したいところだ。

文●中村光佑

【PHOTO】ジョコビッチのサービスフォームの変遷。2010年と2016年を比較したフォームの変化がわかりやすい連続写真
 
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【動画】ジョコビッチがシュワルツマンを下したATPファイナルズ初戦ハイライトはこちら!