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海外テニス

大坂なおみが米誌に人種差別問題のコラムを寄稿。活動を批判する声に「私は黙ってドリブルしない」と反論【女子テニス】

中村光佑

2020.12.24

9月の全米オープンで、ジョージ・フロイドさんら犠牲者7人の名が記されたマスクで登場した大坂。こうした抗議活動への批判に対し、堂々と反論した。(C)Getty Images

9月の全米オープンで、ジョージ・フロイドさんら犠牲者7人の名が記されたマスクで登場した大坂。こうした抗議活動への批判に対し、堂々と反論した。(C)Getty Images

 女子テニス世界3位の大坂なおみが、アメリカのニューヨーク・タイムズ紙に「アスリートたちよ、声を上げよう」と題したコラムを寄稿した。

 黒人男性のジョージ・フロイドさんが警察官に殺害された事件をきっかけに、今年のツアー再開後から「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」運動に参加し続けている大坂。8月のツアー『ウェスタン&サザン・オープン』(アメリカ/ニューヨーク)では黒人差別抗議行動の一環として準決勝棄権を表明すると、大会主催側もこの動きに賛同する形で全ての試合を一時的にキャンセルした。

 また、2度目の優勝を果たした全米オープンでは全試合で、黒人差別によって殺害された7人の犠牲者の名前が記されたマスクを着用して入場。積極的な発信活動が全世界から注目を集めた。

 一方で、大坂をはじめアスリートが社会的な問題を提示することについては「競技に集中すべき」など批判の声も多いのが事実だ。2018年にはNBAのスーパースター、レブロン・ジェームズ(アメリカ)がESPNのインタビューで人種差別や政治、アメリカの黒人公人であることの難しさについて語ったものの、あるニュースキャスターが「黙ってドリブルをしろ」とレブロンを痛烈に非難した。
 
 だがこのような声に対し、大坂は今回のコラムの中で反論。「今日の多くのアスリートが証言しているように、私たちは不公平や不平等の対象となっている」とした上で、「スポーツは人間がやり続ける限り決して無政治的ではない」と綴った。

 さらに大坂は「今日では、私たちが受け取るテレビ報道と発達が顕著なソーシャルメディア上で、アスリートはこれまで以上に大きく、より目に見えるプラットフォームを保有している。それはまた、私たちが発言するためのさらに大きな責任があることを意味する」と述べ、「私は口を閉じないし、黙ってドリブルをしない」と今後も社会的問題への発信を続けていく意欲を示している。

 かつては自身でも「内気な性格に悩んでいた」と語っていた大坂だが、最近ではそれを感じさせないほど、活動的な一面を見せている。来シーズンはどのような人種差別抗議のメッセージを残していくのか、早くも注目が集まっている。

文●中村光佑

【PHOTO】犠牲者の名が入ったマスクで耳目を集めた大坂なおみ2020年全米オープン・スナップ集

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