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海外テニス

33歳のフォニーニが手術後の復帰の難しさを「ファビオ2.0」で乗り越える!

東真奈美

2021.01.13

両足首の手術を受け、完全復活に向けて冷静に努力を続けるフォニーニ。(C)Getty Images

両足首の手術を受け、完全復活に向けて冷静に努力を続けるフォニーニ。(C)Getty Images

 33歳のイタリア人男子プロテニスプレーヤーのファビオ・フォニーニは、昨年5月に両足首の関節鏡手術を受けた。昨年のうちに復帰し、21年シーズンを白星でスタートさせた彼は、自身の新しい考え方を、ATP(男子プロテニス協会)公式に語った。

 短気で自由奔放に振る舞う印象のあるフォニーニだが、今は冷静さと忍耐力を重視した新しい考え方を取り入れている。「これを “ファビオ2.0”と呼ぼうと思う。珍妙な言葉に聞こえるかもしれないけどね」と、冗談めかして言った。

「アスリートが手術を受けるという事は、ましてや33歳では、どんな事が起こるかわからない。キャリアの“新しい始まり”のようなもの」と、手術からの復帰がいかに困難かを説明。それを乗り越えるためにも、今までとは違う、“ファビオ2.0”でなくてはいけないのだという。

 昨年のツアー再開後の戦績は1勝4敗。結果だけを見れば満足いくものではないが、左足は約75パーセント、右足は50パーセントの回復状態だった。

「『以前のように悪化したらどうしよう』と考えたりもしたけれど、皆に“真の冷静さと忍耐強さを持つべき”と言われた」と、100パーセントでない自分を受け入れる、新しい考え方を持つことから始まった。
 
 フォニーニは、21年シーズンの準備のために7週間近くを費やした。最初の2週間は足のリハビリと身体のケアに、その後、ゆっくりとテニスを追加していった。この万全の準備が、彼に今季初白星をもたらした。

「試合のほとんどの時間を痛みがなくプレーできた。それがもっとも素晴らしいこと。まだ100パーセントの状態ではないけど、時間をかければ、再び自分のテニスが戻ってくるだろう」とフォニーニはうれしそうに話した。
 
 手術前は、左足首痛に3年以上、右足首痛に2年以上もの間、悩まされていた。まだ完全ではないとはいえ、痛みがなくプレーできるのは幸せなことだ。フォニーニは、19年7月5日に世界9位にまで登りつめている。33歳のイタリア人は、キャリアハイを更新し、今季から母国で開催されるATPツアー最終戦への出場権を虎視眈々と狙っている。

文●東真奈美

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