2月8日から開催されるテニス四大大会、全豪オープン（オーストラリア/メルボルン/グランドスラム）について、大会主催側は1日最大3万人の観客を迎え入れることを発表した。

　今回の決定についてビクトリア州政府のスポーツ担当大臣を務めるマーティン・パクラ氏は「新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来、最多の観客が入るスポーツイベントになる」とした上で、「14日間で、ここメルボルンパークには最大39万人が集まるということになる。これは過去3年間の平均の約50パーセントに相当する」と説明した。

　さらに有観客で大会を開催することの意義について、パクラ氏は「ビクトリア州の人々が世界で最も長く厳しいロックダウンに耐えた後、新型コロナウイルスを封じ込めたことの証となる。世界が何か月にもわたって見た中で最も重要な国際的イベントになるだろう」と語っている。
  　また、開催地のメルボルンに到着したチャーター機から新型コロナウイルスの陽性者が確認されたことで、14日間の完全隔離生活を強いられた選手について、トーナメントディレクターを務めるクレイグ・タイリー氏がコメントを発表。「2週間、完全隔離を強いられた選手についてはスケジュールとトレーニング施設へのアクセスの点で優遇される」と、大会の進め方を明かした。

「全員が隔離生活を乗り越えてくれたことを本当に誇りに思っている。私は彼らのうちの数人を見かけたが、ようやく外に出られたことを幸せに思っている選手が多いようだ。コロナ封じ込めの措置に理解を示し、協力をしてくれた選手たちに感謝したい」とコメントを残している。

　例年とは異なる厳しい状況下で開かれる今年の全豪オープンだが、多くの観客が大会を盛り上げ、無事に終幕することを祈りたい。

文●中村光佑

【PHOTO】例年のグランドスラムってこんな感じ！