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敗れても収穫あり!大坂なおみが「今日の敗戦から学べた」と語るクレーで勝つ秘訣とは?<SMASH>

中村光佑

2021.05.03

敗れたとはいえ、「いいプレーはできていた」と語る大坂なおみ。今後に向けての課題もはっきりし、意味のある敗戦となった。(C)Getty Images

 現地5月2日、女子テニスツアー「マドリード・オープン」(4月29日~5月8日/スペイン・マドリード/クレー/WTA1000)は、女子シングルス2回戦が行なわれた。第2シードで世界ランク2位の大坂なおみは、同20位のカロリーナ・ムチョバ(チェコ)に4-6、6-3、1-6のフルセットで敗れ、ベスト16進出を逃した。

 土居美咲との日本人対決となった1回戦ではストレートで勝利を収めた大坂。だが2回戦は序盤の第3ゲームで先にブレークを許すと、その後もムチョバの多彩なプレーに翻弄され、そのまま第1セットを落としてしまう。第2セットは粘りを見せて取り返したものの、ファイナルセットでは終始ムチョバにラリーで主導権を握られて2つのブレークを喫し、力尽きた。

 試合後のインタビューで「第1セットではディフェンシブなプレーをしすぎたかもしれない。何かを変えなければいけないと思って、第2セットはうまくいったけど、第3セットではスタートが非常に悪かった」と悔しさをにじませた大坂。

 一方で、「彼女がコート上で動き回る姿は印象的だった。私も彼女のようにこのサーフェスでうまくスライドできるようになりたいと思う。トレーニングしてその技術を身に付けたい」と、ムチョバのプレーに刺激も受けていた。
 
 最後に大坂は前向きなコメントを残している。

「今日は、(ベスト8で敗れた)マイアミ・オープンの時とは全く違っていて、ずっといいプレーはできていたと思う。試合全体を通してベストは尽くせたから、それはとてもうれしい。負けたことを喜んでいるわけではないけど、今日の敗戦から多くのことを学べた」

 大坂から勝利を挙げたムチョバは「彼女を左右に振ってドロップショットなどを使いながら、ファイナルセットでは第1セットでやったことをうまくやれた。第2セットでは、彼女がよりアグレッシブになって私のプレーに問題が起こってしまったけど、何とか勝利を手にすることができた」と喜びを語った。

 敗れはしたものの、クレーでの戦い方に長けたムチョバに対して、劣勢から自分のプレーを立て直せたのは、大坂にとっても1つの収穫だろう。全仏オープンへ向け、苦手なクレーでどのように成長していくのか注目したい。

文●中村光佑

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