海外テニス

ナダル、バーティーらが大坂の会見拒否に意見。「気持ちはわかるが…」、「会見も仕事の一部」<SMASH>

中村光佑

2021.05.29

現役選手の多くは大坂の考えに同情してはいるが…。(C)Getty Images

 女子テニス世界ランク2位の大坂なおみが5月27日、自身の公式TwitterとInstagramで「全仏オープン」(5月30日~6月13日/フランス・パリ/グランドスラム/クレー)の記者会見に応じない旨を表明。大会開幕に先駆けて行なわれたメディアデーではこの話題が注目の的となったが、多くの選手が大坂に批判的な姿勢を示しているようだ。

 大坂と世界1位の座を争うアシュリー・バーティー(オーストラリア)は「ナオミが何を感じているのかがわからないから、私がコメントすることはできない」と前置きしながらも、「私の考えでは、記者会見も仕事の一部だと思う」と主張。

 大坂と親交の深い19歳のイガ・シフィオンテク(ポーランド)もバーティーと同様に「(会見を)仕事の一部だと考えている」とした上で、「メディアの存在はとても重要だと思っている。なぜなら、メディアは私たちに、私たちの生活や考え方について話す機会を与えてくれているからね。私たちがコート上で何を思っているかを誰もが知っているわけではないから、それについて話すのは良いこと」とコメントしている。
 
 また、男子テニス界でもラファエル・ナダル(スペイン)やダニール・メドベージェフ(ロシア)が大坂の会見拒否宣言に言及。ナダルは「彼女の気持ちはわかる」と一定の理解を示したものの、「普段から世界中を飛び回ってニュースを書いてくれる人たちがいなければ、おそらく僕たちは今日のようなアスリートにはなれないと思う。世界的な認知度も得られなければ、あれほどの人気も得られないのではないだろうかと考えている」とメディアの重要性を強調した。

 一方、メドベージェフは「たとえ悪い気分であっても、皆さんと話した後は良い気分になれると思っている」と記者会見が負担になるとは感じていないようだが、「みんなの意見を尊重するつもりでいる。僕が言いたいのは、大坂がなぜそれ(会見拒否)をするのか理解できるということだ」とも語っている。

 今回の会見拒否宣言はまさにテニス界を揺るがす前代未聞の事態となっており、大坂がこれまで以上に注目を集めていることは間違いない。そんな中、苦手とする全仏の舞台でどのようなプレーを見せてくれるのか、そのパフォーマンスから目が離せない。

文●中村光佑

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【画像】大坂なおみが自身のツイッターに書き込んだ会見拒否表明の文面