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海外テニス

「全仏オープンの失格処分など、より厳しい制裁を…」会見拒否の大坂なおみに、グランドスラムが共同で公式声明を発表。<SMASH>

中村光佑

2021.05.31

全仏オープン1回戦に勝利した大坂なおみは、オンコートインタビューは受けたが予告通り会見は欠席した。(C)Getty Images

全仏オープン1回戦に勝利した大坂なおみは、オンコートインタビューは受けたが予告通り会見は欠席した。(C)Getty Images

 5月30日から開幕した「全仏オープンテニス」(5月30日~6月13日/フランス:パリ/クレーコート/グランドスラム)の女子シングルス1回戦を突破した世界ランク2位の大坂なおみが試合後の記者会見を拒否し、規定違反による15000ドル(約165万円)の罰金が科せられた。

 男女共にプロテニスプレーヤーはシングルス部門に出場する場合、勝敗を問わず、報道陣から要望があれば試合後の記者会見への出席が義務付けられている。だが、大坂は現地5月27日に自身の公式TwitterとInstagramで「今年の全仏オープンで行なわれる全ての記者会見に応じない」と表明。

 また、「人々がアスリートのメンタルヘルスについてあまり考えていないと感じていた」と記者たちへ苦言を呈した上で、「特に負けた選手をあのような場で問い詰めるのは、落ち込んでいる人を蹴落とすようなもの」と試合後の会見が選手の精神状態に悪影響を及ぼす可能性を指摘していた。

 30日に行なわれた女子シングルス1回戦に勝利した大坂は試合終了直後のオンコートインタビューには応じたものの、宣言通り記者会見に出席することはなかった。

 この行為に対し、四大大会(全豪・全仏・ウインブルドン・全米)は共同で公式声明を発表し、「グランドスラムにとって、大会やツアーに参加する選手の精神的な健康は最も重要なことだ」と大坂に対する一定の理解を示したものの、「今後も記者会見の拒否を継続する場合は全仏オープンの失格処分や、更なる多額の罰金、将来的なグランドスラムの出場停止など、より厳しい制裁を受けることになる。残念ながら、他の選手がメディア出席のルールを守っているにもかかわらず、一人の選手がそれを拒否した場合、やはり厳しい処分を下すことになってしまう」と通告した。
 
 また、全選手に記者会見の出席を義務付けている理由については以下のような見解を示している。

「グランドスラムのレギュレーションの中核をなすのは、試合の結果がどうであれ、選手がメディアとの関わりを持つという責任だ。このような交流により、選手とメディアの双方がそれぞれの視点を共有し、選手が自らのストーリーを語ることができる。メディアが伝統的なものからデジタルなものまで幅広いチャンネルを利用できるようにすることは、このスポーツ(テニス)の発展と成長、そして個々の選手のファン層の拡大に大きく貢献している」

 テニス界を揺るがす前代未聞の事態となった会見拒否宣言はいよいよ大坂の今後のキャリアに大きく影響する可能性も高まってきた。ワールドクラスの実力派である大坂に下された容赦ない決定に、SNS上では多くのテニスファンの間で懸念の声が続々と上がっている。

文●中村光佑

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