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海外テニス

女子のみならず“テニス界最強”と評されたエナンの片手バック。その振り切りはスゴイの一言!【レジェンドFILE40】<SMASH>

スマッシュ編集部

2021.06.20

コンパクトなテイクバックから腕を前に突き出してボールをヒット。その後、上体の回転を目いっぱい使って振り切っているのがエナンのバックの特徴だ。写真:スマッシュ写真部

コンパクトなテイクバックから腕を前に突き出してボールをヒット。その後、上体の回転を目いっぱい使って振り切っているのがエナンのバックの特徴だ。写真:スマッシュ写真部

 キム・クリステルスが最強のフォアハンドの持ち主なら、ジュスティーヌ・エナンは最強のバックハンドの持ち主だった。小柄な身体ながら通算117週ナンバー1に君臨したのがエナン。これは歴代7番目の記録となる。

 片手バックのトップスピンをこれほど豪快に叩けた選手は、女子テニスの歴史上初めてだったと言って過言ではない。「サバチーニがいたじゃないか!」という声が聞こえてきそうだが、回転量の多いサバチーニのバックより、エナンのショットはもっと厚い当たりで、ボールのドライブがスゴかった!
 
 紹介した連続写真はサービスリターンでのバックハンド。テイクバックは上体のひねりだけを使ったコンパクトなものだが(1~2コマ目)、フォロースルーは非常に大きいのが(6~9コマ目)、彼女のショットの特徴的な点だ。肩を支点にしてラケットを前方に振り、インパクト後は胸を大きく張って、腕を右方向に振り切っている。

 以前の片手打ちバックハンドでは、最後まで横向きを残すのが鉄則だったが、エナン以降は積極的に上体の回転を使う選手が増えてきている。ただし、開きが早すぎると安定性を損なうので、その見極めをぎりぎりで行なうことが重要。エナンもインパクト時点では身体を開いてはいない。そのタイミングは一般プレーヤーも参考にしてほしい。

【プロフィール】ジュスティーヌ・エナン/Justine Henin(BEL)
1982年生まれ。WTAランキング最高位1位(2003年10月)。グランドスラム通算7勝(AUS:04年、RG:03、05~07年、US:03、07年)。身長167センチと小柄ながら、強烈にして多彩なストロークと俊敏さで世界の頂点に立った。マッケンローが「女子のみならずテニス界最高のバックハンド」と称賛した話は有名。07年全米で全試合ストレート勝ちの完全優勝を果たし、翌年にNo.1のまま現役を退いた史上初の選手となる。一度10年に現役復帰したが、翌年にヒジのケガにより再び引退した。

編集協力●井山夏生 構成●スマッシュ編集部

【PHOTO随時更新】エナンをはじめ、サンプラス、アガシらレジェンドの希少な分解写真
 
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