男子テニスツアー『ナショナル・バンク・オープン』（カナダ・トロント／８月９日～８月15日／ハードコート／ATP1000）では、大会２日目の現地８月10日に男子シングルス１回戦を実施。錦織圭（世界ランク55位）がミオミル・ケツマノビッチ（セルビア／同59位）を６－４、６ー７（５）、６－２のフルセットで下し、２回戦に進出した。

　錦織はケツマノビッチに対して過去０勝１敗。ただし、敗れたのは昨年９月のキッツビュール１回戦でのことで、この大会は錦織にとって右ヒジの怪我からの復帰戦だったため、本来の実力を出せなかったことは確かだ。今回はそのリベンジに期待が寄せられていた。

　東京五輪ではベスト８、前週のワシントンではベスト４と流れに乗り「２年ぶりの好調さ」と明かしていた錦織。ただそのワシントンの準決勝では、途中右肩に痛みを感じていたようで、その影響かこの試合でも序盤はサービスにパワーが乗っていない様子だった。それでもストロークで快音を響かせ、ラリーを優位に進める錦織が、相手サービスの第５ゲームを先にブレークする。

　その後も完璧とはいかないまでも、相手に簡単に攻撃させないようなスピードと配球のサービスでラリー戦に持ち込む。そうなればこっちのもので、ストロークで抜群の安定感を見せる錦織がキープを続けて第１セットを先取した。
  　第２セットは、最初のサービスゲームでミスを重ねる錦織がこの日初めてのブレークダウン。それでも直後のゲームで、バックハンドの鋭いリターンを連発する錦織が、最後はネットプレーを決めてブレークバックに成功する。

　その後は互いにキープを続けてタイブレークに突入。相手にリードを許しつつ、終盤の見事なロブでイーブンに戻した錦織だったが、要所のミスショットで再びピンチに。これを挽回することは叶わず、第２セットを落とした。

　それでも最終セットでは、最初のリターンゲームをラブゲームでブレーク。好調な滑り出しを見せると、第４ゲームでもライン際へ攻撃的なリターンを叩き込んでブレークを重ねる。直後のゲームで１つ返されたが、５－２で迎えたリターンゲームを再びラブゲームブレーク。２時間７分で昨年の雪辱を果たした。

　勝利した錦織は、続く２回戦で第７シードのフベルト・フルカチュ（ポーランド）と対戦する。

構成●スマッシュ編集部

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