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テニス界の大御所ナダルが“ワクチン未接種プレーヤー”に向けて「多くの人が身近な人を失う状況を考えるとちょっと身勝手だ」と苦言<SMASH>

中村光佑

2021.11.13

テニス界のビッグ3の一人であるナダルが「今は医師を信じるしかない」とワクチン接種の有効性を訴えた。(C)Getty Images

 テニス四大大会通算20勝を誇る元王者ラファエル・ナダル(スペイン/現世界6位)が、母国のスポーツメディア『Marca Sports Weekend』のインタビューに応じ、新型コロナウイルスのワクチンを接種していない選手へ苦言を呈した。

 テニス界にも大きな影響を及ぼした新型コロナウイルスの世界的な感染拡大。2020年の3月にはツアーが停止し、選手たちは自宅で隔離生活を強いられる事態に。同年8月にツアーは再開したものの、無観客や観客数を制限した上での大会開催を決行するケースが多く見られた。

 そんな中、最近ではファイザーやモデルナといったワクチンの普及が急速に進んでおり、徐々にコロナ以前の日常を取り戻している国も存在する。安全性の観点からワクチンの接種に消極的な姿勢を示す選手も多いが、ナダルは「予防接種を受けたくないという人がいるのは理解できるけど、多くの人が身近な人を失うなど苦しんでいる状況を考えるとちょっと身勝手だとも思う」と本音を吐露。

 その上でワクチンが持つ重要性を次のように強調した。
 
「僕たちは多くの苦しみを味わってきた。ワクチンの効果は100%わかっているわけではないけど、医師を信じるしかない。今わかっているのは、ワクチンを接種しなかった場合のウイルスの影響だ。今、僕たち(スペイン)はウイルスの影響を最も受けていない国とのことだけど、それは国民の大部分がワクチンを接種しているからだと思う」

 9月末にシーズン終了を発表したジェレミー・シャルディ(フランス)のように、接種してから長らく副反応に悩まされた例もあるため、ワクチン接種に慎重になってしまうのも致し方ないのかもしれない。いずれにしてもプロのテニスプレーヤーは世界各地での転戦が習慣となっているだけに、一人一人がコロナの感染予防に尽力しなければならないだろう。

文●中村光佑

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