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海外テニス

「彼女を困らせている」安否が心配される中国テニス選手ペンの長年の友人を名乗る男性がWTAを非難<SMASH>

中村光佑

2021.11.27

消息不明だったが、SNSで元気な姿を発信したりIOCバッハ会長と話したことが公表されているペン。(C)Getty Images

消息不明だったが、SNSで元気な姿を発信したりIOCバッハ会長と話したことが公表されているペン。(C)Getty Images

 すでに国際的な問題へと発展しているペン・シューアイ(中国)の失踪騒動。そんな彼女の「長年の友人」と名乗る中国人男性がイギリス公共放送「BBC」のインタビューに応じ、「彼女(ペン)のメールを無視している」としてWTA(女子テニス協会)を非難した。

 今回BBCの取材を受けたのは、スポーツイベントの開催やスポーツ選手のマネジメントを行なうアプリ「Tianyancha」を運営する企業に勤務しているという丁力(リ・ディング)氏。現地11月26日に丁氏はペンがWTAに送ったとされるメールのスクリーンショットを自身のTwitterに投稿。そこには「今のところ、私は邪魔されたくありません。私の個人的な問題を誇張しないでください。静かに暮らしたいと思っています」と綴られていた。

 海外テニス系メディア「UBITENNIS」によると、BBCはこのツイッターの投稿を受け、丁氏にコンタクトを取ったという。BBCからインタビューを受けた丁氏はWTAの会長を務めるスティーブ・サイモン氏が「ペンの連絡先を複数のテニスプレーヤーやメディアに渡した」ため、「ペンに次々と電話がかかってくるようになった」と発言。
 
 その後丁氏は、「メールを受信したはずなのにサイモン氏はそれに応じなかった」とした上で、「サイモン氏が彼女を困らせている。そのことが、ペンがサイモン氏と話をしなかった大きな要因になった」とWTA側を痛烈に批判した。

 中国前副首相から性的暴行を受けていたと告発後、消息不明となっていたペン。ところが、ここにきて彼女がコーチらと会食している動画や自宅でくつろいでいる写真などが公開され、先日にはIOC(国際オリンピック委員会)が「ビデオ通話でペンと会話をした」とのコメントを発表。だが、WTAは依然として懐疑的な見方を示しており、引き続きペンの安否について「検閲のない状態での透明性のある調査を求める」としている。

 メールや動画だけでは信憑性に乏しい点もあるため、ペンが安心して公の場に出られる環境を提供する必要があるだろう。来年2月の北京五輪開催にも多大なる影響を及ぼす可能性があるだけに、とにかく一連の騒動が一刻も早く解決することを祈るばかりだ。

文●中村光佑

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