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海外テニス

「困難な状況からカムバックできた」昨年末のコロナ陽性から復帰した開幕戦でナダルが優勝し感無量<SMASH>

中村光佑

2022.01.10

足の故障とコロナ陽性から復帰したナダルがツアーで89個目のタイトルを獲得した。(C)Getty Images

足の故障とコロナ陽性から復帰したナダルがツアーで89個目のタイトルを獲得した。(C)Getty Images

 2022年シーズンの開幕戦となった男子テニスツアー「メルボルン・サマー・セット」(1月4日~9日/オーストラリア:メルボルン/ハードコート/ATP250)は現地1月9日にシングルス決勝を実施。第1シードのラファエル・ナダル(スペイン/世界ランク6位)が予選勝者のマキシム・クレシー(アメリカ/112位)を7-6(6)、 6-3のストレートで下し、ツアー通算89勝目を挙げた。

 左足のケガにより昨年8月のシティ・オープンを最後に2021年シーズンを終了し、今シーズンに向け12月中旬に行なわれたエキジビションマッチ「ムバダラ・ワールド・テニス・チャンピオンシップ」(アラブ首長国連邦・アブダビ/ハードコート)で復帰したナダル。

 だが、アブダビ大会では2試合とも敗れ、さらにはスペイン帰国後に行なわれたPCR検査で新型コロナウイルスの陽性が判明した。それでも自宅での隔離期間中に着々と調整を進め、今大会が約5か月ぶりのツアー公式戦となった。

 そんな中、順当に決勝へ進出したナダルは序盤からサーブアンドボレーでプレッシャーをかけてくるクレシーに苦戦。それでも持ち味の粘りのプレーでタイブレークの接戦の末に第1セットを先取すると、第2セットでは2度のブレークに成功し、1時間47分で勝利を収めた。
 
 2009年の全豪オープン以来13年ぶりにオーストラリアの地でシングルスのツアータイトルを獲得した男子テニス界のレジェンドは、表彰式のスピーチで初めに「残りのシーズンも、残りのキャリアも、君にはベストを尽くしてほしい。君のプレースタイルなら試合を支配できると確信しているし、君が試合にもたらす新しい何かがあると信じているから、君のような選手を見るのは素晴らしいことだよ」と準優勝のクレシーを称賛した。

 その後、ケガで苦しんでいた時期を振り返り、「僕は、そのような困難な状況からカムバックできたから、今日はこれ以上ないくらい幸せだよ。全てのことを乗り越えて、戻って来て、トロフィーを手にすることは、とても意味のあることなんだ。またここに戻って来られたことを光栄に思うよ」と喜びのコメント。

 そして最後に「僕のテニスキャリアを通じて一緒にいてくれるチームのみんなと家族には、いくら感謝してもしきれない。特に私生活ではこの1年半は困難な時期を過ごしてきたから、あなた方なしではこのようなことを成し遂げるのは不可能だったと思う」と支えてくれている人々への感謝の言葉を口にした。

 左足のケガと新型コロナ感染を乗り越え、見事な復活劇を見せてくれたナダル。この勢いで1月17日から開幕する全豪でもトロフィーを掲げる姿を見せてもらいたいところ。「ダブルグランドスラム」(キャリアですべての四大大会を2回以上制覇すること)の偉業達成もかかっているだけに、ファンからも注目が集まりそうだ。

文●中村光佑

【連続写真】ヒジ主導でテイクバックしてパワーを生み出す、ナダルのフォアハンド
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