オーストラリアへの入国を拒否された男子テニスのノバク・ジョコビッチ(セルビア)について、現地1月10日にメルボルンの連邦裁判所で入国の可否を決定する審理が行なわれた。その結果、同裁判所は豪政府が下したビザ取り消しの処分を「無効」と判断し、ジョコビッチを収容施設から即時に解放するよう当局に命じた。
独立した医療委員会によるワクチン接種の免除により1月17日から開幕する全豪オープンへの出場が認められ、5日の深夜にオーストラリアに到着したジョコビッチ。
ところが、ワクチン接種免除を証明する書類に不備があったとして入国を拒否され、同選手の弁護団が国外退去への異議申し立てを行なう事態へと発展。また、弁護団は裁判所に提出した書面でワクチン接種免除が承認された経緯について「ジョコビッチ選手は昨年の12月16日に新型コロナウイルスの感染が確認されていたからだ」と主張していた。
ところが、感染したとする時期にジョコビッチがマスクを着用せずに様々なイベントに参加していたことから、その信憑性に疑問を投げかける声が多数上がっていた。
オーストラリアの大手ニュースメディア『The Age』によると、今回の裁判を担当したアンソニー・ケリー判事はビザ取り消しが不合理であると判断した理由について、「ジョコビッチ氏はビザ取り消しの通知に応じるための十分な時間が与えられていなかった」と説明。
さらに、ケリー判事は「ジョコビッチ氏は1月6日木曜日の午前5時20分に、移民法116条に基づくビザの取り消しを検討するという通知に対して、午前8時30分までに何らかの弁明を提供することができると告げられた。その後、オーストラリア国境警備隊が7時42分にビザ取り消しの最終決定を下した。このようにして申請者(ジョコビッチ)は、午前8時30分までに弁明を行なう権利を奪われた」とその詳細を明らかにした。
だが、これで一件落着とはいかないようだ。海外テニス専門メディア『UBITENNIS』によると、豪政府の弁護士を務めるクリストファー・タン氏が「移民・市民権大臣の権限で再びジョコビッチ氏のビザ取り消しを検討する」可能性を示唆したという。
そのため、現段階ではジョコビッチの正式なオーストラリアへの入国と全豪オープンの出場については未だ不透明な状況だ。最終決定が下されるまで、まだまだジョコビッチの戦いは続くかもしれない。
文●中村光佑
【PHOTO】テニス史上に残る名プレーヤー!ノバク・ジョコビッチの厳選ショット
独立した医療委員会によるワクチン接種の免除により1月17日から開幕する全豪オープンへの出場が認められ、5日の深夜にオーストラリアに到着したジョコビッチ。
ところが、ワクチン接種免除を証明する書類に不備があったとして入国を拒否され、同選手の弁護団が国外退去への異議申し立てを行なう事態へと発展。また、弁護団は裁判所に提出した書面でワクチン接種免除が承認された経緯について「ジョコビッチ選手は昨年の12月16日に新型コロナウイルスの感染が確認されていたからだ」と主張していた。
ところが、感染したとする時期にジョコビッチがマスクを着用せずに様々なイベントに参加していたことから、その信憑性に疑問を投げかける声が多数上がっていた。
オーストラリアの大手ニュースメディア『The Age』によると、今回の裁判を担当したアンソニー・ケリー判事はビザ取り消しが不合理であると判断した理由について、「ジョコビッチ氏はビザ取り消しの通知に応じるための十分な時間が与えられていなかった」と説明。
さらに、ケリー判事は「ジョコビッチ氏は1月6日木曜日の午前5時20分に、移民法116条に基づくビザの取り消しを検討するという通知に対して、午前8時30分までに何らかの弁明を提供することができると告げられた。その後、オーストラリア国境警備隊が7時42分にビザ取り消しの最終決定を下した。このようにして申請者(ジョコビッチ)は、午前8時30分までに弁明を行なう権利を奪われた」とその詳細を明らかにした。
だが、これで一件落着とはいかないようだ。海外テニス専門メディア『UBITENNIS』によると、豪政府の弁護士を務めるクリストファー・タン氏が「移民・市民権大臣の権限で再びジョコビッチ氏のビザ取り消しを検討する」可能性を示唆したという。
そのため、現段階ではジョコビッチの正式なオーストラリアへの入国と全豪オープンの出場については未だ不透明な状況だ。最終決定が下されるまで、まだまだジョコビッチの戦いは続くかもしれない。
文●中村光佑
【PHOTO】テニス史上に残る名プレーヤー!ノバク・ジョコビッチの厳選ショット