海外テニス

「あまり前進していない気がする」いまだ疑念が払拭されない“ペン・シューアイ騒動”に懸念の声「本当の真実は見つからないかも」

THE DIGEST編集部

2022.01.16

全豪OPへ調整を進めているムグルサ(左)。根本的な解決に至っていないペン(右)の失踪騒動について言及した。(C)Getty Images

 いまだテニス界からは、女子ダブルス元世界1位のペン・シューアイ(中国)を巡る失踪騒動について、心配の声があがり続けている。

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 ことの発端は昨年11月初旬、自身のSNSを更新したペンが、中国前副首相から性的暴行を受けていたと告発したことだった。このスキャンダルは瞬く間に世界へ拡散され、同時にペンは消息不明に。その後、何度かメディアによって安否が伝えられたものの、「本当に自由なのか」という疑念の声は少なくない。

 そして今回、この問題に懸念を示したのは、1月17日開幕の『全豪オープン』(オーストラリア・メルボルン/ハードコート/グランドスラム)に、第3シードとして出場する女子シングルスのガルビネ・ムグルサ(スペイン)だ。欧州衛星放送局『Eurosport』など複数の海外メディアが報じている。
 
 記事によると、開幕前の記者会見に現れたムグルサは、「本当の真実を見つけること、そして彼女が自由に話せるようになるのは、かなり難しいように感じる」と正直な感想を吐露。「この件について何かはっきりとするのだろうか?私にはわからないし、解決が難しい国だと思う」と見解を明かしている。

 さらに「あまり前進していない気がする。何か月も前からずっと同じ場所に止まっている」と続けると、中国でのトーナメント中止を発表したWTAの判断については「素晴らしいことをしたと思う」と称賛。「強い決断を下すことで、大きな勇気が示された」と振り返った。

 はたしてこの先、世界を揺るがしている同問題は解決へ向かうのか。今後もその行方に注目が集まる。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】昨年12月に公開されたペン・シューアイが取材を受けている様子
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