海外テニス

イタリア選手2人の四大大会8強は約49年ぶり!上り調子のシナーは「数か月で多くの経験を積み成長できた」と自己分析<SMASH>

中村光佑

2022.01.25

好調を維持するシナーは、デミノーをストレートで下してベスト8進出。全豪では初、四大大会では20年全仏以来2度目の8強だ。(C)Getty Images

 現在開催中のテニス四大大会「全豪オープン」(1月17日~30日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート/グランドスラム)は現地1月24日に大会8日目を迎え、男子シングルス4回戦を実施。第11シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク10位)が地元勢で第32シードのアレックス・デミノー(オーストラリア/42位)を7-6(3)、6-3、6-4のストレートで下し、同大会初のベスト8進出を決めた。

 3回戦では予選勝者のダニエル太郎(120位)を撃破した弱冠20歳のシナー。今大会はここまで失セット数をわずか1に抑え、初戦から好調を維持している。

 迎えたデミノーとの4回戦は序盤から両者が壮絶な打ち合いを展開し、一歩も譲らないままタイブレークへ突入。粘りを見せるデミノーに対し、シナーはアグレッシブなプレーで3度のミニブレークに成功。第1セットを奪取して勢いに乗ると、第2セットでも第2ゲームで早々にブレークを奪い、セットカウント2-0とする。

 第3セットに入っても攻撃の手を緩めないシナーは、サービングフォーザマッチとなった第10ゲームをラブゲームキープで締めくくり、2時間35分で勝利を収めた。
 
 今大会では同郷のマテオ・ベレッティーニ(7位)もベスト8へ駒を進めており、2人のイタリア人男子選手が同一のグランドスラムで8強入りするのは1973年の全仏オープン以来約49年ぶりのことだ。また、シナーは2015年大会のニック・キリオス(オーストラリア/現115位)以来、全豪では最年少の準々決勝進出者となった。

 試合後のインタビューで次世代のナンバー1候補は拮抗した第1セットを引き合いに、デミノーとのタフなバトルを次のように振り返った。

「最初のうちは、サービスがうまくいっていたんだと思う。第1セットは彼の方がチャンスは多かったけど、その後、特にタイブレークでは、もう少しプッシュするように心掛けたことが勝敗を分けたと思う」

 そして最後には「昨年は長い1年だったけど、初めて多くのトーナメントをプレーした。この数か月で多くの経験を積むことができたし、選手として、そして人間としても成長できた」と最近の自身の大躍進の理由を分析し、「準々決勝に進めてうれしい」と喜びを語った。

 その準々決勝では第4シードのステファノス・チチパス(ギリシャ/4位)と対戦するシナー。自身初のグランドスラムベスト4へ、期待は高まるばかりだ。

文●中村光佑

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