海外テニス

元王者マリーがクレーシーズン全大会をスキップする決断「クレーでプレーしていたら事態が悪化」<SMASH>

中村光佑

2022.02.07

人工股関節の手術を受けてツアーに復帰したマリーは、自分が戦い続けられる方法を常に模索している。(C)Getty Images

 2月7日から開催される男子テニスツアー「ABN AMROワールドテニス」(2月7日~14日/オランダ:ロッテルダム/インドアハード/ATP500)に出場する元世界王者のアンディ・マリー(イギリス/現102位)が大会開幕前の記者会見に出席。今年5月の全仏オープン(5月22日~6月5日/フランス・パリ/クレーコート/グランドスラム)を含めたクレーコートシーズンの全ての大会を欠場すると発表した。

 長らく臀部のケガに悩まされながらも、2度の大手術とリハビリを経てツアー復帰を果たしたマリーは1月中旬に行なわれたシドニー大会(オーストラリア・シドニー/ATP250)で準優勝。2019年大会以来3年ぶりの出場を果たした全豪オープンでは2回戦で予選勝者のダニエル太郎(114位)にストレートで敗れたものの、着実に完全復活への歩みを進めている。

 そしてこのほどマリーはロッテルダム大会のワイルドカード(主催者推薦)を獲得。1回戦では前週のモンペリエ大会(フランス・モンペリエ/ATP250)でツアー初優勝を果たした世界35位のアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン)と対戦する予定だ。

 そんなマリーは今回の記者会見で「今季はクレーコートでプレーをするつもりはない」と発言。その理由については以下のように説明している。
 
「この2年間はクレーでプレーしていたら、事態が悪化してしまった。昨年は年始に体調不良があった。全部のサーフェスで大会に出ようとした結果、失敗もした。クレーは(今の自分には)役に立たないから、チームと相談して、今年はそのサーフェスでのトーナメントは出ないことにした。昨年も危うくウインブルドンを欠場するところだったし、ずっとプレーができない状態に近かった。それを繰り返したくないから決断した。ローラン・ギャロス(全仏)も他のクレーの大会も出ない。またケガをするリスクは避けたいんだ。今後(来季以降)もクレーでプレーするかどうかはわからない」

 さらにマリーは「クレーシーズンをスキップする間に他のツアーの大会に出るか、休んでベストな状態でまた新たな大会に臨むか、まだ決めていない。昨年末にはかなり疲弊したのでこれからの数カ月はリスクをとらないようにする。芝シーズンに向けていい準備ができるといいのだけどね」と今後のプランを明かした。

 選手生命を脅かすほどのケガを負い、人工関節を挿入した上でプレーを続けている34歳のマリー。それだけに慎重にならざるを得ないのは間違いないだろう。身体と向き合いながらもまだまだ活躍する姿を見せてもらいたいものだ。

文●中村光佑

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