日本からトップ10選手を誕生させるために、どのような仕組みが必要なのか。日本テニス協会の強化本部長であり女子代表監督である土橋登志久さんともよくこの点ついて話をします。
300位、200位、150位ぐらいまでの選手が出て来ても、なかなか100位を切れない状況があります。100位に入る選手の母数を上げなくては、10位には結びついていきません。まず、100位に入る選手を増やすことが課題です。
今までの日本人選手の傾向として、ジュニアまでは強いけれど、プロへの移行がうまくいかないケースが多く見受けられます。そこを改善するために、海外選手も行なっている方法を取り入れるべきです。18歳までジュニアの大会に出続けるより、16歳や17歳の段階で1.5万ドルや2.5万ドルの一般の大会にも出場するようにしていくのです。
ジュニアを卒業するタイミングからプロになって突然一般の大会に出ると、「勝てない」と足踏みしてしまいます。ジュニアのランキングが上がってきている時に、一般の大会も同時に経験しておけば、ジュニアの大会では勝つことでの自信を維持し、一般では様々な新しいことに慣れる時間や経験を積むことができます。そうすれば、ジュニア期が終わった時に自然とステップアップできる準備ができるはずです。それこそがプロへの移行がスムーズになる仕組みだと考えています。
そのためにも情報を持っている人が提供していくこと、できるだけ早く海外での試合経験を積ませることが大切になるでしょう。私もジュニア育成の「リポビタンPresents伊達公子×YONEX プロジェクト」を行なっていますが、富士薬品さんのプロジェクトもあります。住み分けは必要ですが対抗するのではなく、テニス協会も含めていい形で連携してジュニアをサポートしていければと思います。色々なことにトライしていくことで、良い仕組みになっていくのではないでしょうか。
情報共有に関しては、テニス協会もより積極的に行なっていきたいという意向があるようです。ナショナルチームが、昔はあってないようなものでしたが(笑)、今は、その下にネクストジェンチームもあり、ジュニアナショナル選手もいます。
2面しかないナショナルトレーニングセンターの環境を利用できるなどナショナルチームのメンバーを手厚くサポートするだけでなく、今の課題であるトップ100レベルの選手を輩出するために何が必要なのか。そのために何を基準にしてナショナルメンバーを選ぶのかということは見つめ直す必要があると私は思います。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
【PHOTO】「リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」ジュニアたちが成長するキャンプの様子
300位、200位、150位ぐらいまでの選手が出て来ても、なかなか100位を切れない状況があります。100位に入る選手の母数を上げなくては、10位には結びついていきません。まず、100位に入る選手を増やすことが課題です。
今までの日本人選手の傾向として、ジュニアまでは強いけれど、プロへの移行がうまくいかないケースが多く見受けられます。そこを改善するために、海外選手も行なっている方法を取り入れるべきです。18歳までジュニアの大会に出続けるより、16歳や17歳の段階で1.5万ドルや2.5万ドルの一般の大会にも出場するようにしていくのです。
ジュニアを卒業するタイミングからプロになって突然一般の大会に出ると、「勝てない」と足踏みしてしまいます。ジュニアのランキングが上がってきている時に、一般の大会も同時に経験しておけば、ジュニアの大会では勝つことでの自信を維持し、一般では様々な新しいことに慣れる時間や経験を積むことができます。そうすれば、ジュニア期が終わった時に自然とステップアップできる準備ができるはずです。それこそがプロへの移行がスムーズになる仕組みだと考えています。
そのためにも情報を持っている人が提供していくこと、できるだけ早く海外での試合経験を積ませることが大切になるでしょう。私もジュニア育成の「リポビタンPresents伊達公子×YONEX プロジェクト」を行なっていますが、富士薬品さんのプロジェクトもあります。住み分けは必要ですが対抗するのではなく、テニス協会も含めていい形で連携してジュニアをサポートしていければと思います。色々なことにトライしていくことで、良い仕組みになっていくのではないでしょうか。
情報共有に関しては、テニス協会もより積極的に行なっていきたいという意向があるようです。ナショナルチームが、昔はあってないようなものでしたが(笑)、今は、その下にネクストジェンチームもあり、ジュニアナショナル選手もいます。
2面しかないナショナルトレーニングセンターの環境を利用できるなどナショナルチームのメンバーを手厚くサポートするだけでなく、今の課題であるトップ100レベルの選手を輩出するために何が必要なのか。そのために何を基準にしてナショナルメンバーを選ぶのかということは見つめ直す必要があると私は思います。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
【PHOTO】「リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」ジュニアたちが成長するキャンプの様子